かわいさをぎゅっと詰め込んで

この作品は、あまくって、何度だってたべちゃいたくなるような、そんな物語です。そして、登場人物が、みんなスイーツみたいにかわいいんです。

豊かな金髪を揺らす、ちょっと生意気な彼女は、「変身」を得意とする怪盗。――カレン。
しっかりしてると見せかけて、その実中身はポンコツンデレーーおミソ。
たまに「確信犯だよね?」って思うすごい下ネタぶっこんでくるよね!? 「怪力」の天然おばかちゃん――おハナ。
そしてそして、ドルチアリアの活躍ぶりを読者へと届けてくれる「探偵」――梅田。
彼はね、決して金魚のふんだとか「ひんぬーもきょぬーもすきでかつロリコン」の変態だとか、それだけではないんです。カレンたちを大切に思っていて、迷ったり、悩んだり、いつも自分にできることはないかを考えているんです。そしてこれも大事なことなんですが、ツッコミの腕がぴかいちです。何回も笑いました。
この物語を、ほかならぬ彼が届けてくれたことに、うれしさを感じます。彼がいてこその一味なんですよね。

他にも、ヒョーゴ県警のぷりぷり怒るお嬢様とうるわしのエリート従者、天使みたいなアイドルなどなど……いろんな人々をまきこんで、カレイドガールはお宝をぬすんでいきます。物語がすすむにつれて変わっていく登場人物の関係や、カレンのかかえる秘密にも注目です。


余談ですが、先日神戸に出かけた際には、きらびやかな南京街やなぜかいる県警、「花熊」という地名を見て、カレイドガール一味が脳裏に浮かびました。もしかすると、この街のどこかには彼女たちがいるのかもしれない。そんなことを思いながら、にやにやしてしまいました。

それでは、音海先生、執筆お疲れ様でした。

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