この作品の第一印象はスゲー、ウィットが面白え、という所です。ちょっとでも読んでみたら分かるのですが、一話一話に必ず読者をクスッとさせる梅田と三人の怪盗たちのやり取りがあります。
こういうキャラの掛け合いを見て、作者様が本当にこの四人を好きなんだろうな、というのがヒシヒシと伝わってきました。
話のタイトルも秀逸です。第一話の6番目に「決して怪しいものではござ」というタイトルがありますが、これが雄弁にこのお話の作風を語ってるようです。
「ポップでキッチュなゆるふわスイーツ系ファンタジーラブコメ」と作者様が銘打っていますが、その言葉に偽り無し、軽妙でシャレている語り口を楽しめます。しかも質も量も優れてるんだ嫉妬しそうなほどです。
もう一つはこの作品の読みやすさです。アマチュア作家が批評しあう場では「作品の読みやすさを讃えられた時は、他に讃える所がない作品ということだ」なんて言われることがありますが、自分は違うと思います。
読みやすさというのはネットで公開されてる作品の中でかなり大事な所だと考えます。
文章が平易過ぎて、単純でありすぎれば安っぽいものになってしまうし、逆に文章に難解な言葉を並べ立てる冗長な文では読むのが嫌になってしまいます。その塩梅をどうするかが、物書きさんの悩みの一つのなりますが、この作品はそれをうまく調整しているように感じます。警邏、という難しい単語がさらっと出てくるけど、他は易しく書かれているところがとても好感があります。
最後にキャラクター達の魅力です。これは他の方も書かれていることですが、自分は特に御影さんが印象深いです。第三話でいつもは対立関係にあるヒョーゴ警察と西宮カレン怪盗団が、一緒に料理対決をするのですが(敵対してる両者が協力関係に関係性が変わってグッド。一時的に敵が味方に変わるの大好きです)ここで御影さんがクローズアップされます。
そこで垣間見える御影さんの警部への愛情がとてもメシウマでした。あ、いつもは警部の陰に隠れがちでクールな人だけど、この人も一人のキャラクターとして感情を持って動いているんだなあという所が分かる名シーンです(怒鳴ったり包丁出したりね。そして最終話のクーデレぇ……)
なんというかまとまりのない文章で申し訳ないのですが、まあ、そこは勘弁して下さい。改めて音海先生、執筆お疲れ様でした!
後帝都コーベということは神戸に皇帝がいるのか? とか、コーベ・マフィアのおしりの入れ墨とか設定が気になりました……。
まず始めにおことわりしておきます。
こちらの物語は『ゆるふわスイーツ系ファンタジーラブコメ』であり、『文壇に彗星の如く現れた未来を切り開く新ジャンル』です。作者さまの言葉をそのままお借りしてきましたが、これがもうほんとうに、まっったく、そのとおりなのです。かわいさと不思議さと夢の詰まった、かがやける革命のおはなしです。
魔糖少女――ドルチアリアたちの世界にいちど足を踏みいれたら、もう引きかえすことはできません。ひとり残らず彼女たちのとりこになってしまいます。
こうなったらこの物語におとなしく身をあずけ、かわいくてあやうい魔法にかかりましょう!
対悪専門の怪盗・カレンは、探偵である梅田(かなりふびん)(だいぶロリコン)(※あくまでも個人の感想です)とともに、事件の真相をつまびらかにするべく夜ごとコーベの街を駆けぬけます。ちょっぴりおばかでちょっぴり「怪力」な花熊みなと(おハナ)や、頼れるツンデレ……なのに意外とポンコツな三十重奏(おミソ)たちも一緒です。
かわいくて取扱注意な魔糖少女3人と、するどいツッコミの使い手・梅田がそろえば、コーベの街は一瞬のうちにさわがしくなります。
さて、この物語をつかさどる、梅田という人物。彼はただのロリコンだと思われがちですが、意外や意外、とてもかっこいいのです。仲間をいちばんに想っていて、ときに華麗なツッコミを炸裂させ、ときにカレイドガールを励ましながら、みんなをあかるい場所へと導いてくれます。たまに失敗もあるけれど、弱くてつよくてやさしくて勇ましい、なんともすてきな男の子です。
カレンちゃんたちはそんな梅田のことを、心のうちではきっと大切に思っているのでしょう……!
というと彼女たちからブーイングが起こりそうなので、このへんに留めておきます。
天使のようなアイドルを救い、綿あめを愛する少女を助け、今夜も彼らはコーベの街を奔走します。ふわりと甘くて可憐なこの物語をひとつふくめば、きっとどこにいたっていつだって、きらめく夢がみられるはずです。
さいごに、音海先生。ほんとうにほんとうに、執筆おつかれさまでした。そしてそして、すばらしいホワイトデーをありがとうございます。
カレイドガールは永遠に!
この作品は、あまくって、何度だってたべちゃいたくなるような、そんな物語です。そして、登場人物が、みんなスイーツみたいにかわいいんです。
豊かな金髪を揺らす、ちょっと生意気な彼女は、「変身」を得意とする怪盗。――カレン。
しっかりしてると見せかけて、その実中身はポンコツンデレーーおミソ。
たまに「確信犯だよね?」って思うすごい下ネタぶっこんでくるよね!? 「怪力」の天然おばかちゃん――おハナ。
そしてそして、ドルチアリアの活躍ぶりを読者へと届けてくれる「探偵」――梅田。
彼はね、決して金魚のふんだとか「ひんぬーもきょぬーもすきでかつロリコン」の変態だとか、それだけではないんです。カレンたちを大切に思っていて、迷ったり、悩んだり、いつも自分にできることはないかを考えているんです。そしてこれも大事なことなんですが、ツッコミの腕がぴかいちです。何回も笑いました。
この物語を、ほかならぬ彼が届けてくれたことに、うれしさを感じます。彼がいてこその一味なんですよね。
他にも、ヒョーゴ県警のぷりぷり怒るお嬢様とうるわしのエリート従者、天使みたいなアイドルなどなど……いろんな人々をまきこんで、カレイドガールはお宝をぬすんでいきます。物語がすすむにつれて変わっていく登場人物の関係や、カレンのかかえる秘密にも注目です。
余談ですが、先日神戸に出かけた際には、きらびやかな南京街やなぜかいる県警、「花熊」という地名を見て、カレイドガール一味が脳裏に浮かびました。もしかすると、この街のどこかには彼女たちがいるのかもしれない。そんなことを思いながら、にやにやしてしまいました。
それでは、音海先生、執筆お疲れ様でした。
『魔糖菓子(マナドルチェ)』と呼ばれるお菓子を食べることで魔法を使うことのできる、『魔糖少女(ドルチアリア)』と呼ばれるふしぎな少女たち。
そんな魔糖少女三人と、『探偵』の梅田の四人によって成される『万華少女(カレイドガール)』一味を中心に展開していく物語です。
小気味のよいテンポと所々に差し込まれるユーモアによって、コメディタッチに描かれるこの作品なのですが、しかしこの作品の魅力はそれだけにとどまらない、と、私は思います。
一つは、そのキャラクターたち。
魔糖少女でありながら甘いお菓子が大の苦手な、『カレイドガール』こと西宮カレンを始めとして、カレイドガール一味、ヒョーゴ警察の面々、果ては敵であるはずのコーベ・マフィアに至るまで、その誰もがどこか個性的で愛らしい、不思議な魅力を放っています。
そしてもう一つは、その言葉の数々。
時に独創的であり、時に笑いを誘い、時として卑怯なほどに美しく感じる、そんな素敵な言葉たちが、この作品を彩っています。
まだまだ広がりゆく、カレイドガール達の愉快な日々。
その行く先に待っているものを見届けたい、そんな風に思いました。