愛すべき万華少女たちと、美しき言葉の物語

『魔糖菓子(マナドルチェ)』と呼ばれるお菓子を食べることで魔法を使うことのできる、『魔糖少女(ドルチアリア)』と呼ばれるふしぎな少女たち。
そんな魔糖少女三人と、『探偵』の梅田の四人によって成される『万華少女(カレイドガール)』一味を中心に展開していく物語です。

小気味のよいテンポと所々に差し込まれるユーモアによって、コメディタッチに描かれるこの作品なのですが、しかしこの作品の魅力はそれだけにとどまらない、と、私は思います。

一つは、そのキャラクターたち。
魔糖少女でありながら甘いお菓子が大の苦手な、『カレイドガール』こと西宮カレンを始めとして、カレイドガール一味、ヒョーゴ警察の面々、果ては敵であるはずのコーベ・マフィアに至るまで、その誰もがどこか個性的で愛らしい、不思議な魅力を放っています。

そしてもう一つは、その言葉の数々。
時に独創的であり、時に笑いを誘い、時として卑怯なほどに美しく感じる、そんな素敵な言葉たちが、この作品を彩っています。

まだまだ広がりゆく、カレイドガール達の愉快な日々。
その行く先に待っているものを見届けたい、そんな風に思いました。

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