伝統文化とエゴが生み出す艶が少年少女を強く染め上げる

優れた感性を持つ人間、とりわけ芸術家などにおいては、しばしば物事の捉え方が一般のそれとは異なることがあるようです。

本作の登場人物も、書・華・茶といったそれぞれの道に沿った自我(エゴ)を持っており、それはお互いの理解を通常よりも困難なものへとしてしまいます。

本作はそれらの伝統文化を高い筆力により鮮やかに描きながら、それぞれの感情を混ぜ合わせて美しい印象を作品全体に与えています。

涼介、彩華、花鈴の3人がどのような視点で自分を高めるためにすべき事を見つけ出すのかが本作の見所ではないでしょうか。

伝統芸能とエゴが生み出す少し妖艶な雰囲気に大満足させていただきました。

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