壁の先には

作者 おっぱな

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★★★ Excellent!!!

一万五千字ってあっちゅうまなんですよ。
その限られた文字数でSFなんてやろうもんなら、世界観を説明するだけで文字制限をオーバーしちゃいそうなもんなのに、この作品はストーリーまできれいにまとめあげています。
構成力なんだろうなあ……

15センチをどこに使うのか楽しみに読んでました!!

★★★ Excellent!!!

絶対的な未知の存在として描かれる『黒い壁』の謎に挑戦する主人公のレイワードとナインス。
壁はその圧倒的な拒絶感と神秘性をもって人間の無力さを際立たせます。
作中に登場するロベルトは、そんな主人公たちに人間の可能性を表します。

効率性や見極め(判断)の速さが尊ばれる今日、人間は自らの可能性を狭めてはいないだろうかなんて考えさせられる一作。

皇帝になりたいという強い意志を持つ少年として描かれるベクレル。
物語の終わりに、主人公の目には彼がどのように映ったのかは読者によって想像が異なってくるのかもしれません。

短編でありながらも、しっかりとその世界観とテーマを描いた本作。
最近すこし疲れたかななんて感じていらっしゃる方は是非ご一読を。

★★★ Excellent!!!

この魅力的な冒険譚! 圧倒的世界観! きっと誰もが心躍るであろう素晴らしい作品でした!
SFというジャンルに気後れされる方にこそ、是非ともご覧になっていただきたい。
御作者様の見事なあらすじ紹介をそのままお借りする形で申し訳ないのですが『誰もその先を知らない巨大な黒い壁』『これを調査する、堅苦しい兵士と調子者の兵士』。こちらでちょっとでも興味を持たれた方は間違いなくお楽しみいただけることでしょう。

高尚で、かつ読みやすく、心にすんなりと染みる素晴らしい文章で綴られる物語。
間違いのない傑作です!

私は、御作品のテーマを「成長」と捉えましたが……。皆様が掴む『15cm』は、どのような答えを見せてくれるのでしょうか。

★★★ Excellent!!!

まず、巨大で揺らぐことのない壁に何十年と体当たりし続けるロベルトの愚直さに心打たれました。半生を捧げてなお色あせることのない思いとは如何ほどのものか、想像すればするほど感慨深いものです。
また、壁の調査を終え、後に教師となった主人公レイワードが、皇帝になりたいといった生徒に、壁の穴から見えたものを教えるところで物語は終わるのですが、壁をすり抜けた男がいるのだから、0%の出来事などないのだ、という箇所で作品のテーマが強く感じられ、非常に爽快でした。
不可能というものについて、考えさせられるだけでなく、何か勇気も貰えるおススメの一作です。

★★★ Excellent!!!


先生として生徒に語る冒頭や、作中世界の文化の転換がどこか現代社会になぞらえてある趣きが好みなんですけれども、それはさておき、恋慕や親しみといった人の感情、その強さの表れを物語は魅せます。
それはタイトルにもある『壁』にまつわるもの。

そうして、奇妙でありながら純粋な男女の愛を、語り手(レイワード)自身ではなく出会った者として語られる構図が、
余計に彼らの機微を想像させてくれます。

また主人公の視点ですと、家族への想いがちらり垣間見えます。
そしてそこに、想いの強さゆえの盲目さ、危うさを『壁』は感じさせてくれました。

このような『壁』は、謎多き存在です。
その謎が解かされてゆく感覚は、ミステリーに通じるものがあり興味を惹かれます。
その中に、人らしい感情と人ゆえの愛情が添えられています。

(ep6、時点なので)結末を楽しみに【壁の先には】、その向こう側を待ちたいと思います。
皆さま、一読いかがでしょう。