第5話 孤独はさみしい

 これ以上ルビ打ちで作者を困らせるのは止めろ。

 繰り返す、これ以上ルビ打ちで作者を困らせるは止めろ。

 というほど、書くのに嫌気がさした劉備の系譜がついに読み上げられた。


 で、


 その結果はと言うと・・・


「間違いありません!劉備は景帝第七子の末裔にございます!!」


 系譜を読み上げていた側近は高々と声を上げた。


 明らかになった劉備の血筋。


『漢王朝の劉氏の末裔』


 それを知った帝の喜びは一通りではなかった。


「・・・知らなかった。実に知らなかった。」


世譜せいふれば、劉備が余の皇叔こうしゅく(=皇帝の叔父)に当たることになる。」


「・・・うれしい!!」


 力なき身内に囲まれ、一人孤独を生きていた帝にとって、初めて力のある身内を得たわけである。

 帝は劉備を叔父として迎え入れ、彼を『左将軍宜城亭候さしょうぐんぎじょうていこう』に封ぜられた。

 そして、この日以降、帝は事あるごとに劉備を呼びよせ、良き相談相手として重用し始めたのであった。

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