美しく、いやらしく、いやしく

非常に歪な関係である。幼馴染兄妹二組。凡百の話ならば、一組ずつ成立させてめでたしめでたしのはずなのに。秘めたる矢印は頑なに想い人を指し続ける。
主人公は、かつての幼馴染にもっともできのよいところを奉仕させる。盛りの花を見て欲しいという切ない女心を匂わせるけれど、同時に身内という人質をとってみせるという底意地の悪さに見事に翻弄されてしまった。
これから彼らにどんな運命が待ち受けているのか。過去を、未来を妄想せずにはいられない。