概要
春、離別、悲哀、生と死の交差点。
三月生まれの弥生と、四月生まれの卯月(わたし)。隣同士の名前はとても近くて、決して交わることがない。
彼女が死んだ。高所恐怖症の私には到底できない、高い高い場所から身を投げて死んだ。
よりによって、私の誕生月である四月に。
一転、卯月(うづき)という名前が大嫌いになった。彼女の途絶えたその季節が怖くなった。
彼女に触れた指先が、今も時折冷たく染まる。
春。出会いと別れ。祝祭の季節。
私は瞼の裏に彼女を創る。まばたきをして世界を更新するまでは、彼女の残像は目の前に浮かび続ける。
その乾いた日常は、くるり一周の船旅の果てに終わりを迎える。
<Information>
2019.10.1:読みやすくするため、ページを分割しました。そのためPV数などがおかしな事になっ
彼女が死んだ。高所恐怖症の私には到底できない、高い高い場所から身を投げて死んだ。
よりによって、私の誕生月である四月に。
一転、卯月(うづき)という名前が大嫌いになった。彼女の途絶えたその季節が怖くなった。
彼女に触れた指先が、今も時折冷たく染まる。
春。出会いと別れ。祝祭の季節。
私は瞼の裏に彼女を創る。まばたきをして世界を更新するまでは、彼女の残像は目の前に浮かび続ける。
その乾いた日常は、くるり一周の船旅の果てに終わりを迎える。
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2019.10.1:読みやすくするため、ページを分割しました。そのためPV数などがおかしな事になっ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★ Good!彼女のおちゃめなかわいさで際立つさみしさ
まーた人ころしてるう!
というのは半分冗談で、作者様のお話に出て来る人の死に方(死にざま?)に毎回興味津々の一読者であります。
「ごきげんよう、お久しぶり」、「愛おしい春」というタイトルがそれぞれ、やっぱりいいよなあ。
好きな人の誕生日に飛び降りるなんて、そりゃないよう弥生! うわあん! ……って思うけれど、そして卯月も思ったでしょうけど、彼女には彼女のおはなしがあったんでしょう。
しんどくて、もうすべてが嫌になって、どうにでもなれって本当に思う時期は過ぎたあとのお話、なのかな。まだ大好きだし、つらくて受け入れられないけど、どっちかというと「終わった恋をひきずっている」、に似ている…続きを読む