はんぶんこの、おぼろくん

作者 犬飼鯛音

せつない“はんぶんこ”の来し方と行く末を見届けたい!

  • ★★★ Excellent!!!

 最後まで読み終えてからと思っていたのですが、「9」まで読み終えた時点で、思わず☆を押していました。
 
 “におい”というのは、それを発する人の特性や個性や体調や生き方などが、静かに顕著に表れるものだと思います。
 本人も意識せずに、“におい”は、自己主張していることもあります。
 また、本人が、自分の望む姿を演出するために、“におい”を操作することもあります。
 けれども、操作は、うまくいく時もあれば、滑稽なことになってしまったり、胸がしめつけられるようなことになってしまうこともあります。

 作中のとあるシーンでの“におい”を絡めた表現がとても印象的でした。
 ここでは詳しくは記せませんので、少しだけ。

 “レースまみれ”という女性性の象徴に、“男の汗の臭い”というどうしようもなく否定のできない男性性の象徴の取り合わせで表現されたせつなさ、絶妙です!

 妙なるせつなさを味わいながら、ラストシーンまで追っていきたい物語です。

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その他のおすすめレビュー

★★★ Excellent!!!

かわいい、切ない、甘い、苦い。
小春さんの恋心をカラフルに綴ったこの物語を形容するには、どの言葉も足りているようで十分ではありません。それは丁度、彼女が恋をしたおぼろくんの心のように。

甘いものが… 続きを読む

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