概要
村を焼いたお姫様と村を焼かれた娘の甘くて苦いお話
産まれて七日後の名づけの場で、妖精たちから目に見えぬ贈り物を授かったお姫様がおりました。
自分の国と国民を護る為に、賢さや勇気、やさしさや品格をつかさどる妖精達から様々な祝福を授かったものの、お姫様が女々しくなっては困るという王様の判断により「なぐさめ」と「あきらめ」をつかさどる妖精はその場に招かれませんでした。
諦めることと慰めの心を知らずに育ったお姫様は、数年前の戦で村を焼く命令を出したことから「村焼き姫」という仇名で呼ばれ、国を護った英雄として国民から畏怖され崇敬の念を集めるようになりました。が、果敢な決断をためらいなく下せるお姫様を親しみ愛する者はおらず、近隣諸国の王子にまで恐れられて縁談が遠のくばかり。
このままでは世継ぎを儲けることができず、国が滅びてしまうと憂いたお姫様は「
自分の国と国民を護る為に、賢さや勇気、やさしさや品格をつかさどる妖精達から様々な祝福を授かったものの、お姫様が女々しくなっては困るという王様の判断により「なぐさめ」と「あきらめ」をつかさどる妖精はその場に招かれませんでした。
諦めることと慰めの心を知らずに育ったお姫様は、数年前の戦で村を焼く命令を出したことから「村焼き姫」という仇名で呼ばれ、国を護った英雄として国民から畏怖され崇敬の念を集めるようになりました。が、果敢な決断をためらいなく下せるお姫様を親しみ愛する者はおらず、近隣諸国の王子にまで恐れられて縁談が遠のくばかり。
このままでは世継ぎを儲けることができず、国が滅びてしまうと憂いたお姫様は「
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!シンプルで奥が深い短編
シンプルで奥が深い短編です。
気軽にちょっと、というつもりで読み始めて、えらく感銘を受けました。
「なぐさめ」と「あきらめ」に関する洞察、抑制の効いた文章、印象的なエピローグ……。
誰もが「自分が自分であること」から逃れられず、苦い結末を予感しながらも、一つの結末に向かって進まざるを得ない。
お姫様、お菓子、小国と大国、といったごく見慣れた素材でこれほど魅力的な物語を描けるとは、羨ましい限りです。
単なるつくり話、単なる童話、単なるファンタジーではなくて、必然の歯車が回転することによって生み出される、動かしがたい「運命」を描いた作品のように思われます。