第4話 standby!!

後に【幻想獣・タイタン】と名付けられたそれは、3mもあろうかと思える体型と牛の顔に羊の角 ミノタウルスに近い容姿をしていた。

____________________


ここは、緊急アラートが鳴り渡る 私立オズウ

ェル魔法学園 講堂内 突如として魔獣に変貌を遂げ、暴れ狂う化身となり、次々に学園の施設を破壊していた。そして。


呪いとも思える咆哮を放つと講堂内の残響となった。その時。


狂気にも似た 何かが、弱き者から順に降り注ぎ、次々に心を打ち砕いていった。そして。


狂気の篭った咆哮を当てらた人々が、悲鳴を上げ、泣き叫び、逃げ惑った。だが。


混乱冷めやらぬ最中、事態の終息にあたる先生方達の行動は早かった。まずは。


ハヤテ学園長が、騎士科の先生方達に命令を出し


「戦闘実技の先生方は、来賓や生徒達を安全な場所に避難させてください!」


次に、魔法科の先生方達に命令を出し


「魔法実技の先生方は、あの化け物に拘束魔法をかけ、全員を逃がす時間を稼いでください!」


一通り命令を出し終えると


「皆さん人命優先でお願いしますよ」


パンパンと拍手をして、迅速な行動をするよう促した。そして。


ハヤテ学園長の命令を受け各専門分野の先生方が、迅速かつ的確に作業を進めている最中、魔獣はいまだにも、呪いとも思えるような咆哮を放ち、まるで幼子が駄々をこねるが如く暴れ回っていた。


「これはちょっとまずいですねぇ、今は私の命令で各先生方に動いてもらっているのですが、何分人手が足りませんからね、さてさて、困ったものです。」


こう言って思考に入るハヤテ・オズウェル。


「人間を、魔獣に変える魔法?そんなもんがあるなんて聞いた事がありませんね、」


・・まぁこいうことが出来そうな方は、1人心当たりがありますが・・


「三年生の先生方にも、手伝って欲しかったんですが、」


・・彼の事です、ここだけという事はないので・・今頃、ロイヤルナイツの本部大パニックでしょうね・・


「先日、何者かに襲撃をうけ、その場にいた生徒とロイヤルナイツさんが、迅速に事態にあたり、私の生徒達はなんともなかったですが」


・・まぁこれも、彼が関わってる事は、間違いないでしょう・・


「その事についての事情聴取の為に足止めをくらってる最中だとか、なので式典には間に合いそうに無いと、連絡が有りましたしね」


・・やれやれ・・『過去の因縁』とは、こうも拭い去る事が出来ないんでしょうか・・


と自問自答しながら、最適と思える解答を探るハヤテ学園長


「かといっても、ここを一年生に任せるのは酷というものです、私が出ても良いんですが、それじゃあ、面白くありませんね、」


そして、何か名案を思いつきましたと感じで手をポンと鳴らす。


「おーそうでした。うちの娘達がいるじゃあ無いですか。あれくらいなんとか出来るように、ガキの頃から指導してきましたし、大丈夫でしょう、まあ、いざとなったら私が出れば良いですから、」


と言った後、何故かヒーローポーズをとるハヤテ学園長


「そう!悪い奴から人々を守る!正義のヒーローの如く、助けに行けば!たちまち、私に対する愛娘達の評価も急上昇!間違い無しの!まさにっ!一石二鳥の名案!!!!!!という訳なので二年生に頑張っていただきましょう。」


一石二鳥のあたりから、1 2 と指を立て数え、いろんな角度からの、娘達の感謝の『パパ』をパターンを変え、脳内リピートをし、悦にひたりながら、考察すること30秒 大鎌型デバイス《ウルボロッソ》のコンソールパネルを部分展開し、学園長のみ閲覧可能なファイル『デバイス使用及び戦闘権限』を開き、そして固定パスワードを入力し『承認』をクリック、講堂内での戦闘を許可したハヤテ学園長。そして。


「刮目せよ!!!」


周りの風景が暗転。そして。

スポットライトがハヤテ学園長に当たり


<講堂内での戦闘が可能になりました。>

\__[clear]



「Ladies and gentlemen」


この台詞の後 ドラムロールが流れ


<各2学年生徒のデバイスをアンロックいたします>

\__[clear]


ステップ&ターンをするハヤテ学園長。その時。



「Boy's and girl's」


<2学年全生徒手帳へ、告知いたします>

\__[clear]


ドラムロールが止まり、指を鳴らしたハヤテ学園長。そして。


「it's a show time‼︎」


<送信いたしました。>

\__[clear]


次々にデバイスのロックが外されていき、オズウェル学園長は、高々と両手を広げ宣言した。


「さあ!!時はきた!羽ばたけ!子供達よ!!!」





幸いにも、先生方達が奮闘したおかげで無事避難が完了し、後は魔獣のみとなった講堂内ある者は勉強の為、とある者は避難誘導の為その場に残っていた、アリス、ドロシィ、織姫、ハーティア、バカざる(おいっ!)の生徒手帳にメッセージが届いた。そして。


____________________

[\/]:講堂での戦闘が可能となりました。

これは、演習ではありません!

これは、演習ではありません!実戦です。

____________________


「・・!パパ マジか!」

「お姉ちゃん、パパ マジぽい」


2人でしばし考察し、闘う覚悟を決めたアリス、ドロシィ。そして。


「・・! そうか・・そいうことでござるか!なら、話しは簡単でござるな!我が愛槍の錆にするまで!!」


一気に、武人の顔になる天野 織姫


「ふふふ、これだから、この学園は、退屈しないのですわ!」


彼女は、最初から覚悟が決まってたようで、頬が鋭く吊り上がり、にやりと笑みをこぼしたハーティア・フォン・グリムワール


「よっしゃー!」


といいながら、自分の両頬をパシン!と叩き、気合いを入れたのだが、頬に残ったモミジがアホ面を強調させた。


「ヘックシュン!!あれ?誰か噂してんのか?まあいい!今から、俺様のカコイイ活躍見せたらぁ!!」


え?


「え?」


このメッセージを見た、アリス、ドロシィ、織姫、ハーティア、ヘタレ(おい!こら!)

待ってましたと言わんばかりに、待機状態のコアを取り出し、デバイス展開した。


「【クロノス】!ウェイクアップ!」


アリスがワードを叫び、呼応するかのように、身体がプリズムの輝きに包まれ、青色の魔法陣が全身を挟むように上下に展開された後、首筋、両肩、両手首、腰、両足首と順に全身をスキャニングするかのように、次々に制服から戦闘する為の魔法衣に変更され、双剣型デバイス【クロノス】が目覚め。そして、少しだけ剣舞をしてみせた。


これより、聖なる鎧を身に纏いし『戦兎イクサウサギ』は戦場を駆ける。


《Good morning My master》______

「いきなし、本番だけどよろしくね、クロノス」_《No problem》


と問題ないことを主人に伝えた この子の特徴は、兎の耳の様なシルエットをしており、2つの刀剣を重ねると、『裁断バサミ』のような形状になりそうな印象を与えてくれるソードデバイスが【クロノス】

____________________


「【スケアクロー】!ウェイクアップ!!」


ドロシィがワードを叫び、呼応するかのように、身体がプリズムの輝きに包まれ、黄色の魔法陣が全身を挟むように上下に展開された後、首筋、両肩、両手首、腰、両足首と順に全身をスキャニングするかのように、次々に制服から戦闘する為の魔法衣に変更され、杖型デバイス【スケアクロウ】が目覚め。そして杖を右手からくるくる回し、左手に持ち替え構えるアクションをしてみせた。


これより、堅固たる知識を身に纏いし『魔女』が戦場の空を舞う。


《Good morning My Lord》_______

「いきなし無茶させることを許して欲しい、【スケアクロウ】」_《No problem》


と問題ないことを主人に伝えた この子の特徴は、聖火のオブジェクトにも似たシルエットをしており、石突の部分には♢型のクリスタルが嵌め込まれ、まさに『魔女の箒』を思わせてくれそうなロッドデバイスが【スケアクロウ】

____________________


「【蜻蛉切】!ウェイクアップでござるよ!!」


天野 織姫がワードを叫び、呼応するかのように、身体がプリズムの輝きに包まれ、緑色の魔法陣が全身を挟むように上下に展開された後、首筋、両肩、両手首、腰、両足首と順に全身をスキャニングするかのように、次々に制服から戦闘する為の魔法衣に変更され、刀槍型デバイス【蜻蛉切】が目覚め。そして、片手でくるくる回し、武士の背を向け不動の姿勢を示した。


これより、一迅の風を身に纏いし『武人』が戦場を切り裂く。


《Good morning My master》______

「いきなりの初陣ゆえ戸惑かもしれないが、よろしくお願いするでござるよ、【蜻蛉切】」_《No problem》


と問題ないことを主人に伝えた この子の特徴は、その昔、刀身に止まった蜻蛉がその身の重さだけで2つに切り裂かれたという逸話と自身の特性に合わせてついた名だ、その名が示すように、空間を切り裂く『魔槍』が【蜻蛉切】というランスデバイス。


____________________


「【ドラグノフ】ウェイクアップ!」


ハーティアがワードを叫び、呼応するかのように、身体がプリズムの輝きに包まれ、赤色の魔法陣が全身を挟むように上下に展開された後、首筋、両肩、両手首、腰、両足首と順に全身をスキャニングするかのように、次々に制服から戦闘する為の魔法衣に変更され、狙撃銃型デバイス【ドラグノフ】が目覚め。

トコーンと天井に向け発砲してみせた。


《Good morning My boss!》_______

「さぁ、ランチタイムと行きましょうか!【ドラグノフ】」_《Yes Boss♪》


と問題ない事を主人に伝えた、この子の特徴は、『銃身型カートリッジ』による可変機能付、そして、彼女自身も幼い頃から錬金術を嗜んでおり、創り出せる弾数。50種類以上。

まさに、変幻自在のエンターテイナーと言えよう。


これより、紅き情熱を身に纏いし『女帝』が戦場を支配する。


__「これより、状況を開始します!!」_

「Yes!!」________________「Yes!!」________________「Yes!!」_________________「「「Boss!!」」」______


ハーティアが宣戦布告し、それに続くよう、アリス、ドロシィ、織姫、が了承の声を上げ。


それを待ってたかのように、先生方が張ったバインドを断ち切り、全てを吹き飛ばし、再び敵が解き放なたれた。


「グアーー!!!!」










  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る