故人の思い、残された者たちの思い

葬儀屋の面接を受け、見習いとして始めた主人公と、行く先で関わって来る人々、それぞれの思いが交錯するお話。
葬儀とは故人を偲び、そして思いを次へ繋いで行く儀式と言えましょう。
しかし、故人の思いが残された者たちにしっかりと受け継がれて行くか…なかなか難しいところでもあります。
そんなそれぞれの思惑が入り乱れ、美しくも物の哀れを感じさせてくれる物語ですね。
本当に故人を思うのであれば、残された者たちは故人を心配させてはならない。我々が生きて行く上で必ず訪れる別れ。そういった際にどう向き合ってゆくべきなのかを考えさせてくれる作品と言えましょう。

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