想いを桜に喩え。静かに、ゆっくり。それは徐々に迫りくる。恐怖なのか愛なのか。あの日憧れた人は、桜と同じ。綺麗なものほど、終わりは望まない闇を見せてくる。凛とした孤高の存在はもういない――――。
花岡 柊(はなおか ひいらぎ)と申します。 ビーズログ文庫から「マイペースな君」四六判で発売中です! あまり時間もとれず、なかなか皆さんのところへお邪魔で…
記憶は時を経て、美化されていく。桜は毎年、同じように咲き、同じように散る。記憶の中の桜と、現実の桜の差は広がり続ける。毎年、現実の桜は劣化していく。彼女の中にある「あの頃」の彼は、本当に憧…続きを読む
筆致が穏やかで明瞭、少々長めの文でも、文意に迷うことなく読める素直な文体だった。 その文体で、テツという桜が咲くさま、散りゆき傷んでいくさまを淡々と描いている。それがかえって、物語に鋭い“こ…続きを読む
3話構成だったので一日1話ずつ読もうかと思ったのですが、一度読み始めたら、一気に引き込まれました。甘く苦く現実的に、ひとりの人間を愛し続けることの難しさを描いた、深く考えさせられる物語です。
桜といえば、その美しさと散り際の潔さ……で、あるはずなのに、足元に踏みにじられる花弁に目をやってしまう主人公の視点が、とにかく良い。恋愛の「終わり」を桜の花弁が枝から離れるところではなく、路上に落…続きを読む
もっと見る