明日ありと思う心の徒桜

恋人が共に生きていくなかで、お互いに変わらずにいることは稀なことなのかもしれません。

満開の花をつけた美しい桜の姿を鮮明に覚えているヒロイン。
その桜の散り際は、ヒロインの目にはどのように写っていたのか。
それは寂しげに写ったのか、もしくは散り際すらも美しく見えたのか。

男性目線としては、彼に自己投影してしまい、
こんなはずではという葛藤や、
散り終わった自分の姿を認めたくない自己逃避を想像しました。

彼にとって最後に残った『ハナ』が、自身の虚飾とならず、
再び美しい花を咲かせる希望となってくれることを願わずにはいられません。

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