水谷さんの思考回路をお楽しみください
- ★★★ Excellent!!!
とある会社のとあるグループの上長である水谷さん。
会社行事の一環として、バレンタインデーに同じグループの氷室さんからチョコを貰っ……ん? これ他の社員達よりサイズ大きくない? メーカーも違う?……これ義理じゃないの? 本命、なの?
と、実はこっそり氷室さんが気になっていた水谷さんが、ホワイトデーにどんなお返しを贈るか悶々と悩んで答えを出す短編です。
私が推したいのは水谷さんの思考と行動、それによる結果です。
彼は「自分は特にイケメンでもない普通の男」という自己認識ですがイケメンです。外見ではなく内面がイケメン。それも無自覚イケメン。
確かに氷室さんのことを考えたり直接会話しているときも常に「これどう答えたらいいんだどれが正解だ」と内心結構頭の中で右往左往している(それはそれでとても和む)んですが、よしこれだ!と導き出した言葉と行動がそれはもうピンポイントでビシッと決まってるんですよ! ええそれはもうビシッと! これをイケメンと呼ばず何と言う! 氷室さんのみならず読者も陥落する格好良さ。
もっとも先程述べたように、水谷さん自身は自分の言動がどれだけの威力を発揮しているか自覚は一切ありません。その分直後のちょっと抜けた一言がギャップを生んでまた堪らないんですけどね。
チョコのように甘い『彼女のくれたチョコが、他の人のより大きかった』、是非ご一読ください。
氷室さん視点の『BLACK→WHITE』も必読です!