機密部署「情報課」で、多彩な経歴を持つ彼らが、人脈を駆使し事件に挑む!

 県警の奥に潜む部署「情報課」。そこに所属する彼らは皆、それぞれに特殊な経歴を持つ風変りな人たちばかり。
 そんな機密部署へ突然異動することになった若き警官・多賀さんもまた、ちょっと変わった特技を持っていて……。
 個性派揃いの彼らが、多彩な人脈を駆使し、特殊な難事件に挑む!

 警官が主人公とあれば、一見、事件を解決する刑事ドラマ的な物語を想像してしまいます。しかし、当作品はただ事件を解決する「刑事もの」ではありません。
 機密部署であるからこそできる人脈を辿った特殊な調査方法で、得体の知れない難事件に挑む様は、「刑事もの」でもあり、また一つの「スパイ作品」のようで、胸の高鳴りを覚えます。
 近代ではジャーナリストとスパイが曖昧な線引きにあるように、彼らは警官とスパイの間で密やかに活躍する人たちなんだと思います。素直にかっこいい。
 まるで潜入捜査官のように、実在すら危うい特殊チーム。しかし、皆それぞれに人間らしい感情とエピソードを備えており、展開される会話にくすりと笑ってしまうことも多々。ただかっこいいだけではなくて、親しみやすく好感の持てる物語だと思います。さらりと靡く風のように笑いを誘う会話には、筆者の輝かしいセンスを感じます。
 控えめに言って、大好き。
 きっと公に語る事はできないのでしょうけれど、「情報課」は実在するのかもしれません。
 そんな夢のある作品を、皆さまも是非!

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