人脈重視で結成された特殊警察チームの活躍

たとえばミステリーで「名探偵もの」というと、探偵が天才的なひらめきで事件を解決するのに対し、「刑事もの」というと、犯人の手がかりを追って関係者に聞きこみをしたり、地道な調査を続けて証拠を見つけたりするといったイメージがあるのではないでしょうか。

本作の主人公たちも警察内部の「情報課」に勤める刑事ですが、彼らの捜査は一般の「刑事もの」とは一線を画します。
彼らが捜査でもっとも重要視するもの、それは「コネ」です。
まともな調査では証拠を見つけられない重大事件に対し、それぞれの人脈を使い、半ば違法な形での捜査を行う特殊チーム。それが本作に登場する「情報課」です。

元天才子役、元オリンピックメダリスト、自動車会社の御曹司、文部科学大臣の息子、そんな彼らと一緒に働くことになったスリの名人。個性派揃いの彼らが取り組む事件は、当然一癖も二癖もある代物。

各人の能力と人脈を活かしたその大胆な捜査方法はどこかスパイ小説の雰囲気もあり、ミステリー好きだけではなく、チームで行われる「お仕事もの」が好きだという人には自信を持っておすすめできます。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=柿崎 憲)

その他のおすすめレビュー

カクヨム運営公式さんの他のおすすめレビュー1,174