第5話 沈黙の夕食

 僕は家に帰っても興奮していた。

 龍の歯があるんだ。


 夕食はカレー。


 僕は興奮したまま、じいちゃんに話した。

 じいちゃんは頷きながら聞いていたのだが、龍の話から事件の話になって、神主さんに息子がいたという話になると、表情が硬くなった。

 チラッと母さんの方を見た気がする。

「その話は、また聞くよ…今日は疲れた、寝かせてくれ」

 食べ終わったじいちゃんが居間から出ていく。

 母さんは居間に背を向けたまま、皿を洗っていた。


 夕食後、母さんのパソコンで龍のことや、事件当時のことを調べる。

 ノートにメモを取りながら、龍を妄想する。

 僕も龍のことを自由研究にすれば良かった。

 でも…事件のことも調べなくては。

 だけど…未解決事件で神主さんが話してくれた以上の情報は出てこなかった。


「ねぇ…母さんもパソコン使いたいんだけど」

 僕は半ば強引にパソコンを取り上げられた。


 自室に戻っても、僕は興奮していた。

 今夜は寝れそうにない。

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