第13話 Over The Summer

 その夜、僕らは口数少な目に、途切れ…途切れに話しながら家に帰った。


 小学生最後の夏休みは、その後、いつもどおりに終わった。

 最後の3日間で宿題を終わらせる…いつものパターンどおりに。


 その後、僕も、ヒロも、その夜の話はあまりしなかった。

 あまりに現実離れした記憶は、今でも時折夢だったのでは?と思うこともある。


 卒業式の日、僕はヒロと龍神池にいた。

 しばらくは2人とも黙ったままだったが…ヒロが池に石を投げて

「なぁ…龍を見たよな、俺たち」

 と聞いてきた。


 最後に交わした言葉は「またな」だったか「じゃあな」だったか覚えてない。


 あれから1年が経った…。

 俺は中学生最初の夏休みを迎えている。


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