第10話 決行前夜
「いよいよ明日だな!」
ヒロが興奮気味に言う。
「うん…でも幽霊なんて出るのかな?」
「さぁな~でもいいんだ…見れなくても」
「いいの?」
「あぁ…理由なんか何でもいいんだ」
「うん」
ヒロが何を言いたいか、僕は解っていた。
僕も同じ気持ちだ…幽霊なんてキッカケでしかない…ヒロと過ごす最後の夏。
ヒロは、父親の仕事の都合で、ここで過ごすのは小学校まで。
中学生になったら、父親が暮らす別の県に引っ越してしまう。
だから…最後の夏休みに何かしたいんだ。
「明日の晩、ここでだぞ」
「うん、必ず」
僕たちは、龍神池にひっそりと建つ祠の前で約束した。
明日の夜……何かが起こる様なワクワクが収まらない。
月は明るく、大きく、空に浮かんでいた。
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