第3話 1984年8月13日
僕は、その夜ヒロに電話した。
得意になって神主さんから聞いた話をする。
ヒロは面白そうに僕の話を聞いていた。
「僕、これを自由研究にしようと思うんだ」
話してるうちに、そんなことを口走ってしまった。
「そうか~俺はどうしようかな。自由研究……そうだ、じゃあ俺は龍神のこと調べようかな」
ヒロはそんなことを言い始めた。
「なぁ…明日、神社に行こうぜ!神主さんに事件のことや、龍神のこと聞いてみようぜ」
翌日、僕らは神社に向かった。
神主さんは、境内を竹ぼうきで掃いていた。
僕らは、さっそく事件のことを、くわしく聞かせてほしいとお願いした。
神主さんは、やれやれといった顔で境内に腰を下ろして話してくれた。
1984年8月13日
満月の翌日、早朝。
翌日の雨が嘘のように晴れた日、神主さんは龍神池の水位を見に行った。
すると池の中央に、うつ伏せに浮かぶ女性を見つけ慌て救急車を呼んだ。
だが、女性が生きているとは思わなかったそうだ。
女性が引き上げられて、すぐに警察もやってきた。
状況をアレコレ聞かれたが、当初は事件性はないと思われていた。
3~4日して再び刑事が神社を訪れた。
「あの女性なんですが……身元が解りました。」
「そうなんですか」
「えぇ…名前は
「えっ?どういうことですか?」
「いや…ナイアガラの滝ってご存知ですか?…観光で訪れていた際、事故で落下してるんです。場所が場所だけに…死体は上がらなかったようです。」
「いや…そういうことじゃなくて…20年前って?」
「そこが解らないところでして……なぜ…今頃、この池に浮かんでいたのか…」
「私が見た女性は…若く…腐敗している感じは無かった……」
「そこも解らないんです…検死の結果、死後2時間程度だって言うんですよ…検死官は」
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