第6話 龍神絵巻
翌日、ヒロと神社へ向かう。
自転車の速度が自然と上がっていく。
息を切らして神主さんを呼ぶ。
「待ってたよ」
神主さんは、神社の中へ入れてくれた。
お祓いや祈祷をする部屋。
なんだか緊張する。
「さて…絵巻を見せてあげよう」
神主さんは、仰々しい箱から古い巻物の紐をほどき、シュッと広げた。
思った以上に鮮やかな色彩に驚いた。
右から左へ見る漫画のようだ。
神主さんは、ひとつ、ひとつの絵を指さして説明してくれた。
干ばつで苦しんでいたある日、
満月の夜、雷雨の日に雷の轟音と共に現れた巨龍。
小さな池に表れた龍を神の使いとして村人たちは池を広げ大きくして龍神として崇めた。
龍の噂は、都にも届き、貴族、公家達が訪れるようになる。
ある日、公家のひとりが、龍神に触れようと手を出した。
龍神は公家の腕に噛みついた。
怒った公家は、後日、平家の武者に龍神討伐を命じる。
武者は、家人に池の周りから弓を放たせ、弱ったところで龍神を仕留めた。
仕留めた証に、龍神の首を跳ね、都へ運び褒美を貰った。
ここまでが絵巻に描かれた物語である。
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