その11 『本当に黒い黒幕。エーユーフォー対シャドーガディアス』
1-- 最終回・序
大地守、海里透、
すると、座り込んだ大和の背中から黒い煙のようなものが出てきた。
「なんだあれは!」
まるで、太陽に照らされた人間の影のように真っ黒な怪人となり、座り込む大和の前に降り立った。そして
「ちっ、神国大和め心を取り戻したか……」
影の怪人が喋った。
「お、お前はなんなんだ!ガディアス!?」
と、大和
「そうだ。俺の名前はファイナリオティス……そうだな、お前たち人間の言い方で言うなれば、シャドーガディアスと言ったところか」
そして
「なぜユーフォーディスクのついていないガディアスが、人間の言葉を喋れる!」
「俺は昔から人間を操り生きてきたのだ。この神国大和のように、迷いをもつ人間を操り、人間に滅びの道を歩ませていた」
次に海里が聞く
「つまり、いままでの大和の行いは貴様の仕業だったということか」
「ふふふ、半分はな。神国大和は貴様達とともに自然の大切さを学び、自然と人間の共存を考えていた。だがどこかでそんなことは無理だと分かっていたのだ。人間が快適に生活を行うには、必ず自然を破壊しなければならない。俺はそんな神国大和の心を誘導してやったのさ
『自然を守りたいならば、人間を絶滅させればいい』
とね。フハハハハハ!!!だが神国大和はなかなか強い意志をもっていてね。人類を絶滅させるよう意志を操ろうとしたが、自然を破壊する施設を壊すところまでしか操れなかった。だから、次に俺はこいつの地位を利用し、ユーフォーディスクを使わせ、多くのガディアスを従わせたのさ」
『ザリガニマン』と『戦う宇宙人エーユーフォー』史上もっとも長いセリフが最終回で飛び出した。そして守が。
「なるほどな!全てわかった!大和は操られてたんだ。俺と同じだったんだ!」
「お前と同じ?」
「ああ、今は無くなっちまったが、エーユーフォーが持ってた銃はトカゲガディアスがフォトンエヴォルブしたものだったんだ。そして俺はそいつに操られていた」
「守、こいつを倒せば全て終わるはずだ。ユーフォーディスクの付いていたガディアス、あれは俺たち神国財閥が操っていたもの。ユーフォーディスクの付いていないガディアス、それは、ガディアスを操るユーフォーディスクを破壊しにきたもの!
こいつが全て操っていたならば……」
「ああ、人類全滅なんて企むこいつ、多くの人間を殺したこいつを俺たちは許さない。人間のためにも、ガディアスのためにも!いや、全ては地球の天然自然のために!こいつは俺たちが倒す!大和川自然保存会の名にかけて!」
2--最終回・破
「フハハハハハ!来るがいい!人間どもよ」
まずは守がザリガニのハサミで斬りかかる。だが、シャドーガディアスは煙と化し、上空へかわした。そしてそのまま上空から守の後頭部へかかとをぶつけた。
「ぐわあああ!」
ふっとばされる。
「フハハハハハ!」
その場に着地し、高笑いを掲げるシャドーガディアス。そこに海里が高速移動で潜り込みパンチ。だがやはり煙と化し避けられる。煙は、海里の後ろに回り込み、また人間の形にもどり後ろからキック。
「ぐはっ!!」
海里がふっとばされ、次は
「どうやら、火で焼かれてはダメージを受けるらしいな!」
と、
「フハハハハハ!どちらにせよ当たらん!」
「それはどうかな!」
「な、なんだと!」
「大和に取り付いてたなら、海里の頭の良さもしってるだろう?奴がなんの計算もなしに飛び込むはずがない、すぐにわかったぜ、俺と守に作戦を考えさせるためだとな!」
「貴様達、アイコンタクトをとってたなああああああああああ!!!」
炎の真剣はさらに温度を上昇させる。
「ぐわあああ、やめてくれ!やめてくれ!」
「やめん!これが俺たちの怒りの炎だ!!」
炎の上昇気流に乗った海里が、真上に飛んでいた。そして。手刀をつくり、一気に降下。
「シャークチョップ!」
シャドーガディアスはその場に倒れる。
「お、おのれ!この俺がこんなところで!絶対に逃げ切ってやる!絶対に!」
守が
「逃がしてやってもいいぜ」
「な、なに!」
思いもよらぬ言葉で這いずり逃げようとしていた手が止まる。
「だが、他のガディアスに伝えろ、人間はガディアスの敵じゃあない!これからは、ユーフォーディスクだって俺たちが自然を守るために使うとな」
「わ、わかった!約束する!」
しかし
「信用できるわけがないだろう、こいつはまた誰かに取り付き人間の全滅を企むはずだ!」
海里も
「俺もそう思うぞ、守」
「し、しかし……」
すると、シャドーガディアスが突然立ち上がったそして手の形を剣のようにかえた。
「ハハハハハ油断したな!死ね!」
守の腹を突き刺そうとしたとき、シャドーガディアスはなにかにつまずき、派手に転んだ。
守たちは、気づいていないが、それはあの指輪だった。守がめぐみにプレゼントした、あの指輪。それが偶然にも縦向きに転がっていて、それをガディアスが踏んでしまったのだ。
「そ、そうか……やっぱ、ガディアスと人間が、共存するには、俺たち人間が自然を大切にしていく心を示さなきゃならないんだよな。そうすれば、こんな奴も生まれなかったはず」
シャドーガディアスは煙化し、逃げようとする、しかし、それをキャトルミューティレイト光線で引き寄せる。
「わかったぜ!みんな、俺はこいつを倒す!」
引き寄せられたシャドーガディアスは煙の状態を保てなくなり、人型へ戻った。
「キャトルミューティレイトシザースラッシュ!!」
引き寄せた勢いに乗せ、ハサミでシャドーガディアスを切り裂いた。激しい爆発を起こし、シャドーガディアスは消滅した。
3-- 最終回・急
変身を解き、大和をつれて緑たちのもとへ戻った。街へ解き放たれたガディアスたちは、ガディアス対策本部の活躍により、全滅したようだ。
「みんな、迷惑をかけたな」
車の中、椅子に腰掛けるみんな。その中、大和が言った。
「ああ、操られていたとは言え、やっぱ迷いがあったんだよな」
守が言った。
「でもその迷いは大和だけのものじゃあないと思うんだ。俺たちが本当に自然を大切にしていけるのか。今まで自然を、環境を破壊してきた人間が、本当にこれからは自然を大切にできるのか」
「ああ」
「でも、だからこそ。今までの過ちに気付けた俺たちは、そんなことを繰り返さねえんだとも言えるだろ」
「守……」
「不安なのは仕方が無いさ、でも、俺は、人間が自然をずっと大切にしていける世界を作ることを、自分の夢にする。そうしたら、そんな不安、希望で打ち消せる!」
「そうだな。俺はこれからみんなへの償いをする。ユーフォーディスクを人類のために使う」
「ああ、俺たちの戦いはこれからだ!」
大地守、神国大和、森野緑、後光院良奈、海里透、
それは、この大きな地球の、小さな産物である人間が、母なる大地のため、天然自然とともに生きること。そんな世界を守ることである。その戦いはこの物語とはまた違うストーリー……
ここに、物語を終幕させよう。彼らを新たなる戦いの地へ送り出すために。
エピローグ『散って行った者たち』
大和は帰ってきたが、いつまでたっても十文字と良樹は帰ってこない。捜索部隊がでて、見つかったき。十文字は良樹の亡骸をかかえうずくまって泣いていたらしい。十文字はそのまま病室へ運ばれた。病室で十文字から鍵を託された守。
「これを良樹が俺に……そうか。だいたいわかるぜ。あいつ言ってたから……」
「な、なんと?」
「悪い、それは秘密だ」
車の中、良樹の個人金庫をあけ、中の物を取り出す守。それをもちどこかへ消えた。
大和は、今回の騒動により、ユーフォーディスクを公表しては世間を混乱させると考え、ディスクとフォトンベルト、ギアドライバーを地底深くへと封印した。守、海里、
緑は、まだガディアス対策本部でこれから来るガディアスへの対策と、ガディアスと人類の共存の道を探すみたいだ。それと、自分の家族の仇は必ず見つけると。
最後に、なぜあんなところに指輪が転がっていたのか。縛馬島で守がめぐみにプレゼントし、めぐみはその指輪を身につけたまま、自我を失った守に殺された。その後、遺体は回収されなかったはずだ。そう、それはあのリングギアモンスターだ。
リングギアモンスターは守がめぐみにプレゼントした指輪にめぐみの思いが篭り、それがギアーによりモンスターと化した。
そしてリングギアモンスターは
守は、良樹の机の中の物を全て細断し、焼却していた。
「安心しろ良樹、中身はみてねーよ。緑に当てたラブレター。誰もそんなもんのぞかれたくねーもんな。
良樹……全ておわったよ。みどりのことは俺に任せろ。それが、お前へのせめてもの手向けだぜ」
燃える火に背を向けて、守は帰っていた。みどりの待つ、ガディアス対策本部へと。
~おわり~
戦う宇宙人エーユーフォー 永遠の闇纏いし堕天使 田代セフィロス @vipmac
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