その7 『海賊王に俺はなる!シャークナイト対シーバスガディアス』
ガディアスには二種類いる。ディスクのついたガディアスとディスクのついてないガディアス。
ディスクのついてないガディアス、ゼブラディアンと戦ったとき、ゼブラディアンは十文字と良樹が目の前にいるにもかかわらず、エーユーフォーを優先して攻撃してきた。
そして、ディスクのあるガディアス、彼らは言葉を喋れるようだ。
そして、戦いの中出会った、エボルギアドライバーと呼ばれるベルトをしたガディアス。その正体は守のよく知る人物、
ガディアス対策本部によると、ガディアスを動かしているのは神国財閥。
しかし、
しかし、緑が守をだますわけがない。こっちの仲間に緑がいる。そう伝える前に、
1-- 宇宙人とサメ
守はユーフォーディスクの力で変身する。その力を引き出す装置が、ギアドライバー。ある日、ガディアス対策本部十文字班の車から大声が鳴った。
「ギアドライバーがもう一個おおおおおーー!?!?!?」
守の声だ。会議中のことだった。狭い車の中でパソコンのモニターに映された作戦スケジュールを開いた十文字が説明。
「そう、われわれはもう一人のユーフォー戦士と合流する」
「エーユーフォーみたいなのがもう一人いるってのか!?」
「そうだ。彼の名はシャークナイト。どこの班にも属さずに自らが愛する者を守るためだけに戦っている」
「だから、ナイトか」
緑が
「それは、私たちがよく知る人物なのよ。会ったらびっくりするわよ」
「ま、また知り合いなのか、なんか仕組まれてるんじゃねえのか」
「これは、私から誘ったの」
「あ、ああ、
守はこの時考えていた。だからこそ、戦いを止めることもできるんじゃないかと。
暫く車を走らせ、海辺の民家へやってきた。
車から降りる守と緑。大人数でおしかけるのも気が引けるので知り合いの2人で出向くことにした。
「へぇ、オーシャンビューでいい家じゃん、ここに俺たちの知り合いが?」
「そう、まあバレットの知り合いじゃなくて、まもるの知り合いだけど」
「今から会う奴には守が瀕死でガディアスに体乗っ取られてるなんて言わないでおこう。余計な心配かけられない」
「そうね。たしかに余計なことね」
守は楽しみにとっておこうとあえて表札を見ずに門をくぐった。
「ごめんくださーい!」
ドアの前で大声で叫ぶ。すると、ガラガラと音をたて、横開きのドアが開いた。出てきたのは女性。守と同じ年齢くらい。ちょっと性格がきつそう。そう、彼女こそ
「
出てきた女性を指差し守が言った。
「大地!なんであんたが?来るのはみどりちゃんだって聞いてたんだけど」
「私もいるわよ」
緑が後ろから顔をのぞかせる。
「なるほど、俺の知り合いで愛する者を護るナイトってのはあいつしかいなかったぜ!」
おくから守の予想した通りの男が出てきた。
「フッ、大地守と森野緑か。久しぶりだな」
ロン毛でクールな男。彼は海里透。かいりとおると読む。
「お前たち、まだ続いてたんだな。高校のころからずっと付き合ってるんだろ?」
と、守
「ああ、その言い方、お前たちは別れたのか?」
海里透と雨宮嵐子は、ザリガニマン制作委員会の一員。高校の頃から付き合ってる。守と緑はザリガニマンが出来上がってから交際開始したのだが、大学に入り間も無く緑から別れを告げられた。理由はわからなかったが、それからあまり連絡はなくなったのだ。
「ああ、今はガディアス討伐の仲間だ。別れたのも多分、嫌いになったからじゃあないから、これまで通り接してくれてかまねえぜ」
「フッ、そうか。いろいろあるようだな」
緑と守は、海里を連れてガディアス対策本部の車に戻った。
「お久しぶりです、十文字さん。シンジも久しぶりだな、足、怪我か?」
海里と十文字、シンジはギアドライバーをもらった時以来に会う。良樹とは初対面だ。海里は守よりも前からギアドライバーとフォトンベルトを使い戦っている。海辺から上陸してくるガディアスを食い止めるために戦っていたが、このたび、神国財閥が町に放ったと思われるガディアスの討伐へと向かうために十文字班と合流した。
「よーし、こないだの蛇野郎の時は苦労したが、エーユーフォーみたいなのが二人もいれば、ガディアスなんか楽勝だぜ!」
意気込む守。
エーユーフォーとシャークナイト、最強タッグの誕生である。
かつてザリガニマンを作った仲間、永遠の友達だと思っていたみんな。
神国財閥とガディアス対策本部だ。
ガディアス対策本部には、守、緑、海里。神国財閥には大和、良奈、
彼らが戦うことになるだなんて、誰にも想像できなかったのだ。
そんな中、守たちの元にガディアスが現れたとの情報が入った。ちょうど近くの海岸だ。海岸ではガディアス対策本部と半魚人のような怪人が戦っていた。
「海辺か。ふっ、俺の出番のようだな」
海里はフォトンベルトを巻いて、車の外に出た。守も続く。しかし
「大地、タッグを、組むにあたって俺の技を知ってもらいたい。まずは俺にやらせてもらおう」
「わかったぜ海里。だが、もしもの時のために俺も変身する」
そして二人は同時に
「フォトンエヴォルブ!」
守はエーユーフォーに。海里はサメのような、戦士になった。二の腕には普通の魚のようにうろこ状のものがついている。マスクは頭にサメの背びれのようなトサカ、牙のようなバイザーがついている。二人は走り、ガディアスのもとへ。
--2 恋は奪うもの 愛は与えるもの
「おおー!シャークナイトが来てくれたぞ!!」
半魚人ガディアスに対抗していたガディアス対策本部メンバーが沸く。
「シャークナイト!頼みます。それと、あなたが噂の十文字班のUFOマン!」
「エーユーフォーだ!間違うんじゃねえ!」
海ではシャークナイトの方が有名なのだ。シャークナイトは半魚人に立ち向かう。
半魚人はヒレが発達したような鋭い爪を持った手で引っ掻いてくる。しかしそれを上方へ飛び回避し、そのまま上空から、二の腕のうろこを切り取り、手裏剣のように投げつけた。
海里はそのままガディアスの後ろに着地し
「爆発!」
そういうと、ガディアスに突き刺さったうろこが爆発した。
「ぐおおおおー」
「止めだ」
海里はウロコを指と指の間に挟み、拳を作った。
「サメハダとはよくいうが、俺のパンチはかすめるだけでも怪我をするぞ!」
ガディアスに数発のパンチを浴びせ、そのパンチを放ちながら指に挟んだウロコをガディアスに突き刺していた。
「爆裂鮫炸拳!」
ばくれつこうさくけん、言い終わるとウロコは爆発し、怪人もその爆発で砕け散った。
「うおおおおおお!やったー!さすがシャークナイト!」
まわりのガディアス対策本部の隊員たちが拍手している。エーユーフォーはなにもできずに終わった。
「く、くそ、かっこよくダブルライダーキックでとどめじゃねーのかよ」
守は変身を解除、海里も解除した。
「やるじゃねーか、海里」
「ああ、これからタッグを組むんだ。この戦いを参考に戦略を立ててくれ。俺も十文字さんにお前のデータをみせてもらうことにする」
「そうだな。んでもって一気に大和たちとケリをつけよう」
夜になり、守は宿舎のさびれた部屋で一人、ベッドの上に寝転がっていた。腹をさすり、服をめくる。守と言っても意識はバレットなのだ。記憶は引き継いでいるが、別人。
「傷口は完全に塞がったな。守のやつがドライバーの形したトカゲ怪人にやられたのと、ドラウマケンタウロスにやられた傷……」
傷跡は大きく残ってしまったが、助かっただけでも奇跡。トカゲガディアスであるバレットの力である。
「体は回復した。そろそろお別れだな、守。今まで楽しかったぜ。緑と少しでも、人間の言葉で会話できた、俺はまたトカゲに戻る。守、それまでに大和と、決着つけような!」
眠りにつくかと思った瞬間、携帯電話の着信メロディ。ネッコー仮面のオープニングテーマ。誰だろう、画面に表示された名前は
『神国大和』
しばらく画面を見つめてから、通話ボタンを押した。
「もしもし」
と、守
「守、お前にとっておきの話がある」
「なんだ?」
「明日、世界は俺たちによって書き換えられる。新たなる理想郷として」
「な、なんだと!?」
「お前、
「聞いた!ガディアスを使って人を殺してるお前らが、なぜガディアス討伐を!?」
「全ては明日のためだったのさガディアスによる人間世界の統治のな」
「な、なに!?それが理想郷ってのかよ!?」
「そうだお前たちにも伝えておいてやる。せいぜい無駄な抵抗をするんだな」
そこで通話は途切れた。
「大和、ほんとうに俺たちの知ってる大和なら……人間の力の大切さをわかってるお前なら、こんなこと言わないはずだぜ……どうしちまったんだよ」
3-- 決戦にそなえて
大和からの電話はガディアス対策本部のみんなにも知らせた。あとは決戦をまつのみ。守は今のうちに休息をとろうと眠れない体を無理やり寝かしつけた。
一方、
「やっと話ができる。大和、お前には聞きたいことがある」
「翔、言いたいことはわかる。お前が守に会ったのなら、俺がやろうとしてることは知ってるはずだ」
「ま、まさかお前、本当に自然を破壊する者たちを抹殺するつもりなのか!」
「そうだ。そのためにお前には地球の守護者であるガディアスを討伐してもらっていた」
「地球の守護者!?ガディアスが?」
「ああ、ガーディアンオブジアース、略してガディアス。これは俺が命名した名だ」
「な、なん……だと……!?」
「俺たちがガディアスに狙われる理由はこいつ」
大和が取り出したのはユーフォーディスク。
「進化の法則をねじ曲げるこいつは、自然にとって驚異だった、ガディアスの遺伝子を閉じ込め、それを改良、優秀な兵士へと変えることのできるこの装置。もちろん、ガディアス以外の生命体も自由にコントロールできる」
「なに!?」
「これをつかえば、人類による自然の破壊はなくなる。どうだ、これでも俺に協力してくれるか?」
「ば、バカを言うな!俺だってお前の操り人形だったてことじゃねえか!!!!」
「違う。遺伝子の変化をコントロールできるギアドライバーがあれば、ユーフォーディスクの力を自在に操れる。俺はお前のことを友と見込み、それを託したんだ」
「だったら、俺も友として言わせてもらう。お前のやろうとしてることは、間違っているとな!」
「そうか、お前もわかってくれないのか」
すると、磨りガラスを突き破り、サソリと兵隊が合わさったような怪人が数体あらわれた。
「スコルピオトルーパー!こいつで俺をどうする気だ?」
「ギアドライバーを返してもらう」
「そうはさせん」
「ジーンシフトフェニックス!」
あの翼の生えたガディアスへと変身した。
「ふっ、こんなことなら、新型ギアドライバーには停止スイッチをつけておくべきだった」
と、大和
「判断の甘さを後悔するんだな」
「これも友と思ってなのだが」
磨りガラスの一部がスライドし、ドアになり、そこから大和は脱出。ドアはしまった。だが。
「俺の怒りはおさまらんぞ!」
「大和!」
このままここにとどまっていられない。翼を広げ、炎の矢で壁を突き破り、外へと出た。
「俺にこんな話をしたんだ。明日、何かがおきる……!」
~つづく~
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