その10 『三戦士集結!エーユーフォー対ドライバーギアー』

その10 『三戦士集結!エーユーフォー対ドライバーギアー』



1-- ザリガニマン第26話『東京の最終決戦』



 赤のエーユーフォーから胸のディスクをザリガニディスクへと変更。



「プライマリフォトンエヴォルブ!」



 守の姿が更に変わる。エーユーフォーが光につつまれ、その光が晴れるとそこにいたのはザリガニマンだった。


 エーユーフォーのユーフォーの飾りなどはそのままだが、これは守が大和たちとともに作ったザリガニマンの姿だった。



「自然の破壊者ガイラ・イッシュよ、この俺が許さん!とう!」



 敵はガイラ・イッシュではない。だがそのつもりでスコーピオントルーパーの群れの中を突っ込む。巨大なハサミで一撃で切り裂いてゆく、これぞ例えではなく、本物の無双。あらかたスコーピオントルーパーを倒し終わった。するとドライバートカゲがこちらに向かってきた。両手のギアーを回転させながら。



「知ってるぞ!お前はそのプラスドライバーみてえなクチバシで攻撃してくるんだ!そうはさせるか!」



 ドライバートカゲは両手のギアーを車輪にし、高速で向かってくる。



「ハサミで受け止めてやるぜ!!」



 クチバシをハサミで受け止めてやろうとしたら、ドライバートカゲは飛び上がった。



「な、なんで!」



 そして守の目の前に着地、両腕の大きなギアーで挟んできた。それをハサミで受け止める。ギアーにザリガニのハサミが突き刺さる。



「くっ!突き刺すつもりはなかったんだが、ザリガニのハサミなもんだから、勝手に突き刺さる!」



 手が抜けない。そのまま回転するクチバシの方へ引き寄せられるが、両足で踏ん張る。



「よし、ここはエーユーフォーの力を使う!ザリガニマンとエーユーフォー、奇跡のコラボレーションだぜ!」



 膝をつき、地面でこすりユーフォーの飾りをまわした。引き離すキャトルミューティレイト光線だ。これにより、守はドライバートカゲから引き離され、硬く突き刺さっていたハサミも抜けた。



「よし!ビッグバンかめはめ波なみの合体必殺かましてやるぜ!」



 そのままユーフォーの飾りを逆回転させ、引き寄せるキャトルミューティレイト光線へと変更、そして引き寄せられてきたドライバートカゲに対し、ザリガニのハサミで攻撃。ドライバートカゲは両手のギアーでガードしようとしたがハサミを突き刺され耐久力の下がったギアーでは防御しきれなかった。


 そのまま両手のギアーは粉々になり、ドライバートカゲは爆発した。爆発のあとには工具のプラスドライバーが落ちていた。守はそれをひろいあげ。



「こいつか、こいつにトカゲの進化の情報をもったギアーが寄生したわけか」



 周りのザコは一掃したので守は一旦変身を解いた。


「よし、良奈いこう。緑たちが待っている場所へ」



「うん」



 ガディアス対策本部の車ではシンジと緑が待っていた。



「ただいま!」



 扉を開け乗り込む守。そして


「驚くなよ緑、新しい仲間だ!」



 良奈の手を引き、車の中へと引き寄せる守。



「良奈ちゃん!」


と、緑



「緑ちゃん、いままで心配かけたね」



「うん。でも、だとすると……大和くんはもうひとりぼっちってこと?」



 守が


「え?かけるのやつがいるだろ?」



「十文字さんからの通信でね。空翔そらかけるくんが味方してくれたって。巨大なリング型の怪物を倒してくれたみたい」



「リング型……ギアモンスターか」



 守はギアモンスターのことを緑たちに話した。そして。



「あ、あと俺も、戻ってきたぜ、緑」



「……わかるよ。言われなくても」



「そうか。じゃあまた行ってくるぜ。次は大和を連れ戻してくる」



「うん、死なないでね」



「俺は死なない」



 ドラウマケンタウロスに重傷を負わされて以来、ずっとバレットに乗っ取られていた体。バレットが守の記憶を引き継いだように、守もいままでバレットに乗っ取られていた時の記憶を持っていた。


 車を出て、再度、神国財閥ビルを目指す守。


「めぐ……お前を殺したのが俺自信だったなんてな。謝っても許してもらえないよな。魚太と美樹のことも助けられなかった。せめて、俺はもう何も失わないために戦う。そうだな。誰にも何も失わせないために戦おう」


 ザリガニディスクを握りしめた。


 神国財閥ビルの前にはあの2人も着ていた。


「海里、かける、またせたな」



 今ここに、大地守、海里透、空翔そらかけるの三人が揃った。


 すると、地面が揺れ始めた。


「地震か?」


と、守



「いや違う!後ろだ」


 海里に言われ、後ろを振り向く守とかける。すると、地面のアスファルトを突き破り、巨大なメカのような体の鳥が飛び出してきた。


「こいつは、大和と会った時……初めて大和に決別を告げた時のモンスター!そうか、こいつもギアモンスターだったんだな」



 レオフェニックスギアー。胸に二つのユーフォーディスクがつけられている。両胸に一つづつ。鋭いくちばし、長く伸びた首、大きく広げられた鋼鉄の翼、鋭く大きな爪。



「レオフェニックスギアー、大和のやつ、ついにこいつを使うのか」


と、かける



「へえ、バレットだったらどんな名前つけてたんだろうか」



 三人はユーフォーディスクを取り出す。守の肩にバレットが乗っかる。



「行くぞ!みんな!」



 守の掛け声で三人一斉に。



「フォトンエヴォルブ!」



「戦う宇宙人!エーユーフォー!」



「愛の騎士、シャークナイト」



「火炎の鳥戦士!バーディアン!!」



 三戦士が揃った。




2-- 最終兵器レオフェニックスギアー



 レオフェニックスギアーの背中には大和が乗っていた。レオフェニックスを着陸させ、降りる大和。



「残念だな、三人とも。まさか海里まで俺の敵にまわっていたなんてな」



守が


「大和!こいつを倒せばお前は終わりだ!もうお前は追い詰められた!」



「そうだな!だがこのレオフェニックスギアーをお前たちが倒せればだ!」



「倒す!倒してお前も連れ戻す!」



「ふっ、俺を倒したところでこの街はガディアスに滅ぼされるだろうがな」



「なに!」



「純粋なガディアスは、ユーフォーディスクを自然の原理を破壊するものとして、優先的に破壊しにくる!これだけのユーフォーディスクが大量に、投入されれば、強力なガディアスがここを襲うだろうなあ!」



「なんだと!自然の原理を破壊する力……」



 ドラゴンボールみたいなものだから、使い過ぎはだめなのだ。



「俺たちは自然を守るためにこの力を使うんだ!それが俺たちの変身だ!」



「ふっ、蹴散らしてやる」



大和はビルの影に隠れた。そして、レオフェニックスが飛び上がる。



「一斉攻撃でいくぞ!みんな」


と、海里が真っ先に攻撃をしかける



 二の腕にあるうろこ状の装甲を引き抜き、手裏剣のようにしてなげる。着弾すると爆発した。しかしレオフェニックスにダメージはない。



「なるほど、こいつもあのギアー付きモンスターと同じか!」



 かけるも火の矢を飛ばすが、そんなものはお構いなしにレオフェニックスはこちらへ向かい滑空してくる。



「避けろー!」



 三人は散り散りになり回避したが鋭いくちばしの一撃は地面のアスファルトを軽々と粉々にした。



「こ、こんなの食らってたらお陀仏だったぜ」



と、守。三人はそれぞれ、うろこ手裏剣、火の矢、インセキディスクをセットした銃で攻撃するが、どれも歯が立たない。



「くっそー、黄色のディスクの弾丸が効かないんじゃ、エーユーフォーに勝ち目はないぞ!」


守の嘆き。海里は


「こいつもきっとどこかに心臓部であるギアーがあるはずだ。かける、わかるか?」



「あ、ああ。こいつの弱点は背中だ。だが、空を飛ばれては背中に攻撃することは難しいぞ」



 大きな羽に阻まれ、飛び道具も当たりそうにない。上空から、レオフェニックスが突撃してくる。それをかけるは空を飛びかわした。


「さらに上を飛べば!」



「フハハハハ!そう来ると思っていたさ」


物陰から大和が顔を覗かせ言う。


「レオフェニックスの更なる力をみよ!」



「させるか!」


 背中に剥き出しになったギアーめがけ火の矢を飛ばす。すると、レオフェニックスの胴体の上下が回転しひっくり返った。足の関節も形がかわり、長い首は折りたたまれ胴体に収納され、翼の一部が抜け、足が出てきた。



「この形は!」



 大きな獣の形になった。



「ねこ!猫じゃないか!」


と、守



「どう見てもライオンだぞ、名前もレオだ」


 海里が冷静に分析。



ガオオオオオオオオオオオオ



空気を揺らす雄叫びが東京の街にこだました。



 胴体がひっくり返ったのでユーフォーディスクは背中についている。


 大きな獣となったレオフェニックスが地上の守と海里に襲いかかる。かけるは上空から火の矢を放つがやはり効かない。



「くそっ!」


 守と海里の銃とうろこ手裏剣も構わず大きな牙を剥いて襲いかかってくる。



「回避ー!」



噛みつかれる直前で回避。だが、横に飛んだ守に獣の前足の爪攻撃が炸裂した。



「ぐわああああっ!くそ!」



 吹っ飛ばされ倒れる。衝撃で銃も飛ばされた。


「バレット!大丈夫か!!」



 銃となったバレットを拾いに行くが、銃には大きな爪痕が残されていた。



「お、おい!バレット!!」



 引き金を引くが弾丸が出ない。すると、銃が光に包まれ、トカゲの姿に戻った。装着されていた黄色のユーフォーディスクは地面に落ちる。バレットは酷く傷ついていた。



「バレット、大丈夫か?」



 自分の両手の上で今にも切れてしまいそうな息をするバレットに問いかける。レオフェニックスの気は海里がそらしてくれている。


 バレットはトカゲなので喋ることはできない、だが、守の頭の中に声が聞こえた。


「よう……守、聞こえるか……」



「バレット、俺たちまだ繋がってたんだな!」



「ああ……だが、これまでだ……」



「……ああ……」



「守、最後に頼みなんだけどよ」



「ああ、わかってる。みどりは俺が守る!」



「……言わなくてもわかるなんて……さすが……だぜ……じゃあな……」



「安らかに眠れ、お前の仇は必ずうつ」



 守の両手の上で、一匹のトカゲは静かに息を引き取った。



「俺は怒ったぞ……大和!」




3-- 制御不能、暴走のレオフェニックスギアー



 海里も大和もレオフェニックスに全く歯が立たなかった。地面に打ち付けられる二人。その間に守が来た。



「二人とも、この戦いには俺たちの青春の全てをかけるぞ!」



 ザリガニディスクを取り出す守。



「それは!ザリガニマンのディスク!!」


と、かける



「そうだ!だが、お前が知ってるザリガニマンは大和のしもべ。大和と俺の理想の融合が真のザリガニマン、俺たちはそれをなす!」



 胸に装着された赤のディスクを銃のフォルダーとは逆の腰側面へと付け、胸にはザリガニディスクを装着。



「俺が!……俺たちが!ザリガニマンだ!!」



 エーユーフォーを光が包み込む。



「プライマリフォトンエヴォルブ!!」



 光がはれ、ザリガニマンが姿を現す。いや、エーユーフォーザリガニモードだ!



「こ、これは!ザリガニマン!」


 海里と翔にも懐かしいその姿。獣となったレオフェニックスと対峙する。



「自然の破壊者ガイラ・イッシュ!この俺が許さんぞ!」



 ガイラ・イッシュではないがノリで言う。するとかけるも。


「こうなれば、俺も!輪っかみてーな奴との戦いで力は残って無かったが!もう倒れてもいい!全ての力を出してやる!!レヴァテインフォーメーション!!」



 バーディアンの手の爪が腕までスライドし、スライドした爪から炎を出し、炎の真剣レヴァテインを出現させた。



「これが、バーディアンレヴァテイン!!」



 海里は全てのうろこ手裏剣を使い果たしてしまっていた。しかし。



「シャークナイトはここからが本気だ!うろこ手裏剣は多少重量があってな」



 これぞ、シャークナイト忍者モード。



 エーユーフォーザリガニモード、シャークナイト忍者モード、バーディアンレヴァテイン。三体の戦士が巨大な魔獣と合間見える。


 レオフェニックスは飛びかかってきた。しかし、守は手のユーフォーの飾りを回し、引き離す光線を発射、レオフェニックスを浮き上がらせた。その隙に海里が後ろへ回っていた。レオフェニックスの体を駆け上り、背中に上がった。


「ここならば攻撃はきくだろう!」



 鉄拳によりユーフォーディスクを片方破壊。もう片方もかけるの炎の真剣が突き刺し、破壊した。すると大和が。


「お、お前たちなんていうことを!」



「ん?」



「ギアモンスターはユーフォーディスクではなくギアーで制御できていた。しかしレオフェニックスギアーだけはガディアス因子が注入してある!ユーフォーディスクがなければ暴走するぞ!!!」



グオオオオオオオオ!



 唸り声をあげ、神国財閥ビルへ突進、爪をつきたて、ビルを登ってゆく。



かける!俺を運んでくれ!あいつはザリガニマンが倒す!!」



「ああ、まかせろ!」



 レオフェニックスは神国財閥ビルの頂上ヘリポートへ登り、雄叫びを上げた。そこにかけるに運ばれた守が飛び込む。



「このビルをお前の墓石にしてやるよ!」



 迫るレオフェニックス。しかし、制御されていた時に比べ無駄な動きが多く隙が多い。


「よし、お前は終わりだ!そして何もかも終わりだ!神国財閥も!ガディアスも!ギアモンスターも!縛馬島から続いたエーユーフォーの戦い!ラストアタック!」



 守はレオフェニックスの下に潜り込み、腹部のギアーにザリガニのハサミを突きたてた。


 ギアーは破壊され、レオフェニックスは大きな爆発を上げた、翔に拾われ、ヘリポートを後にする守。



「ちっ、汚ねえ花火だぜ」



 ビルの上部は吹っ飛んでいた。守とかけるは大和の前に着地。



「大和、これがザリガニマンだ」



「ま、守、そうだ……俺のザリガニマンは……独りよがりだった……本当のザリガニマンは、みんなで作ったものだった……」



「大和、これからは俺たちで夢を叶えよう。人間と自然が共存できる理想郷を作るんだ」



「ああ……」



「帰ろう、良奈とみどりが待ってるぜ」



~つづく~

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る