七話 ダンジョンに宝を求めるのは間違っているでしょうか?(2)
僕達は特に何事もなく、近くのダンジョンにつく事が出来た。
まあ、道中に一角ウサギの亜種のホーンラビット(体がひとまわり大きいのと、角が黒色で、かっこいいだけ。)が襲いかかってきたが、難なく撃退したし、何事もなかったといってもいいと思う。
ちなみに、そいつの角は剥ぎ取ってしまってある。
街に着いたら加工してもらおう。
ダンジョンの入り口は本当に洞窟のまんまだった。マジで見分けつかないじゃん。
とりあえず、最初の部屋にはモンスターがいないのが見えたので入ってみる事にした。
少し広めの洞窟と同じように見えたが、奥に扉が見えた。
「この先からがダンジョンみたいね。よし、行くよ!」
流石に扉を開けた瞬間襲いかかってくるなんて事はなかったが、このダンジョンは基本少し脇道があるだけで、一本道らしい。
だから、空中に漂う魔力が光ってかなり奥まで見る事ができる。
まだこちらには気がついていないらしいが、さっきのホーンラビットが二匹いるのが見えた。
「おい、皆。まずはあいつらだ。今回はお金になるものを取りに来たんだから慎重にな。じゃ、行ってこい。」
「「おう!」」
僕は魔力砲のトリガーを引いた。
黄色の魔力の弾が一直線に飛んだ。
空を切る音とともに飛んだ僕の攻撃は、銃程早く無いし、距離として30メートル位離れていた事もあって、脚を掠めるくらいだった。
それで十分だ。
浅賀の指令で待機していた舞花が魔法を放つ。
『地を照らす光よ 我に従い 敵を撃て シャインアロー』
宙に出てきた二本の光の矢が、体制を崩したホーンラビットにすかさず追撃した。
ホーンラビットは頭にそれを食らって、動かなくなった。
メニューウィンドウ先生の説明どおり、ダンジョンのモンスターは魔力でできているため、血は流れてないし、体はしばらくすると魔力になるらしい。そこから新しいモンスターがうまれるんだとか。
小さいナイフを持っていた浅賀は倒した奴のところへ向かった。
ダンジョンのモンスターは魔力でできているため、外のモンスターとは違い、半分位の確率でしか角だとか、素材を落としてくれないが、ダンジョン産の方が品質はいいらしく、買取金額も高いんだとか。
ちなみにナイフは一角ウサギの角で昨日作ったものだったりする。
今回は、運良く角を一つ落としてくれた。浅賀はそれを取りに向かったのだ。しかし浅賀は見ていなかった。そこの近くに脇道があり、子犬に羽が生えたような奴が見ていた。
僕は浅賀に襲いかかると思い、
「浅賀!危ない!」
魔力砲のトリガーを引いていた。
その犬っころは避けようともせず、頭に当たって死んでしまった。
そいつは羽をドロップしてくれた。
ちなみにこの犬っころはワンダーレザドと言って、大変希少価値が高く、餌をやれば懐いてくれるらしいが、当時の僕達はそんな事は知らなかった。
「助かったぜ、サンキューな。」
「大丈夫だったか浅賀。それで、ドロップの方はどうだった?」
「ああ、傷も少ないしいいんじゃないか。」
よし、お金はいくらあってもいいしね。
僕達は進む事にした。
僕達は、40メートルしか歩いてないが、このダンジョンは、意外と脇道が多いような気がする。
何が少しの脇道だ。
まあ、こんなに沢山脇道があると入ってみたくなるし、お宝とかありそうだしと思って、浅賀に相談してみたら
「おう、いいぞ。」
と承諾されたため、少し広めの脇道に入ってみると、スライムがいた。
スライムなんて弱いと思うかもしれないが、曲がり角にいきなり出てきたらびっくりする。
「ギャーー?!」
僕は過剰反応しすぎて30発位乱射してしまった。
もちろんスライムは倒せたが、MPがのこり4となっていた。
今、沢山魔力(MP)を使ったおかげか、MPの上限が上がっていた。
いや、1上がっただけじゃほぼ意味ないけどな。
でも、結構な数を地面に外したっぽい。
結構な数、穴が空いている。
まあ、大丈夫かと思い、歩き出した。
しかしやっぱり脆くなっていたのだ。
ダンジョンがこんなことで壊れることはないと思って油断したのが間違いだった。
なんせ、このダンジョンはできたばっかりだというのを忘れていた。
「キャアァァーーー!」
「うわぁぁぁー!」
「ざけんなこの野郎!」
僕達が進みだした途端、床が崩落して、僕達は真っ逆さまに落ちていった。
ゴンっという鈍い音とともに僕は意識を失った。
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