八話 脱出に向けて(1)



浅賀と七海を起こすと、以外と時間が経っていたようで、午後の5時になっていた。


ダンジョンに入ったのが確か正午ぐらいだったから、約五時間経ってしまったみたいだ。


とりあえず、メニューウィンドウで確認すると、ここは5階層だった。


落下してる時に薄々気付いてたけど、落ち過ぎじゃないだろうか?


まぁ、落ちたのは結局の所、僕の乱射が、原因なんだけれど。

面目ない。



「ねぇ、優太君。とりあえず委員長に報告しない?明日に帰れるか分かんないよ。

あそこで乱射しちゃったのはしやーないやん。

皆無事だったんだから、大丈夫!」


僕が落ち込んでいると、七海が声を掛けてくれた。

浅賀とは違って優しいなー。

浅賀なんてさっきからずっと剣を眺めているだけだし。


とりあえず、委員長にメールを作成......っと、送信。

「送信出来ません。Error code003」

送信、送信、送信。


何回送信を押しても送信出来なかった。

焦って何回も押してる所に舞花が来て、教えてくれた。


「能崎くん。エラーコードが、表示されてますよ。メニューウィンドウに聞いたらわかるかも知れませんよ。」


舞花が来るまで気づかなかった。

僕って、案外馬鹿か?


自分の不注意を気をつけなくては。


とりあえず、舞花の言う通りにしてみる。


「Hey,s○ri」

『私はsi○iではありません。

ですが、貴方の質問にお答えします。

errorcode003

何らかの魔力障害が発生している恐れがあります。

今回の場合、恐らく、この下近辺に守護者(ガーディアン)がいると考えられます。

メッセージの通信方式は魔力ですので、非常に濃い魔力の場所では使えない場合がございます。』


メッセージが使えないのはいいけど、危なかった。

もしかしたら下にはボスモンスター(ここでは守護者)がいるかもしれないんだぞ。


作らてたてのダンジョンじゃ余り外せんな。

ま、頑張るしかないね。


「なぁ優太、メールが使えないんだったら早いとこ、ここを出ようぜ。

早くしねえと日が暮れるぞ。」

「そうね、浅賀君の言う通りだよ!

行くよ優太君!れっつごー!」


七海のテンションがちょっと分かんないけど、とりあえず、ダンジョンの脱出を目指すことになったが、そう簡単には返してくれなかった。

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