一話 卒業旅行のはずが...(2)
僕達は、近くに散らばっていたクラスメイト達を集めて、知らない土地に飛ばされていること、これからは人里を目指して歩いて行くことなど、これからのことについて話した。
皆は驚くほどしずかだった。
多分、この状態に頭が追いついていないのだろう。委員長がこれからのことについて話していると、聞き覚えのある声が天から降ってきた。
「私立桜坂高校三年生の皆、聞こえてるだろうか。私は学園長だ。まず最初に、この様な状態になってしまった事を謝っておこう。私の勝手で何も関係の無い皆を私の故郷の異世界に転移させてしまった事を許して欲しい。」
なんだって?異世界転移?そんなのは冗談にして欲しい。と普通なら信じないであろう。
しかし、周りを見回すと、空飛ぶペンギンやら、角を生やしたウサギやらがいるのに、ここを地球だという奴が言い切る奴は居ないだろう。そして、ここが異世界だと悟った。
それは、周りの皆も悟った様で、学園長の声がする方に「ふざけるな!」「地球に戻して!」「ぶっ殺しちゃるかんな!」など、罵声をあびせていた。女の子のなかには、泣き出している子もいた。
「確かに君達の言うことはよく分かる。勝手なことばかり言って済まないが、私の故郷を救って欲しい。」
何を勝手なことを言っているのだろうと思ったが、この手のものは、魔王やら何やら、それっぽいのを倒さないと帰れないのはお約束なのを知ってるので、しぶしぶ話を聞いてやることにした。
「先生、僕達は何をすれば良いんですか?」
皆が答えを求め、天を仰いだ。
「勿論、今から説明しよう。その前に、これまでの経緯を話すとしよう。」
そういった先生は、ゆっくり話し始めた。
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