九話 帰れないようなので、守護者(ガーディアン)を倒しに行きますか!(2)





「とりあえず、守護者(ガーディアン)を倒しに行く方向で決まったけど、どうする?」

「とりま、下に行こうぜ。

さっきの落ちてった奴と話をしてみたいしな。

装備は初心者みたいな奴だったが、知ってることは俺達よりは多いだろ。」

「そうね〜。さっきの子、男女グループだったから、この世界の女の子と話してみたいしねー。」



とりあえず、下に向かうのが決まったので、メニューウィンドウのマップに従って、下の階段を目指すことにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


僕等一行は、ダンジョンの中を楽しく会話しながら歩いていた。

幸い、敵のテリトリーに入ってないので、敵には遭っていなかった。

七海のつぶやきが聞こえるまでは。



「あ、道間違えちゃった.....。」

「へ?」



そんな七海のつぶやきとほとんど同時に、ラビットソルジャー達が出てきた。

テリトリーの警備兵だろうか。数は、五と少なかった。



「七海、いつから間違えたの?」

「ま、まぁ、いいじゃない。数も多くないし、戦闘経験も大事よ?」

「ま、いいじゃねえか優太。これまで通り、ぶっ潰してやるだけだ。」

「そ、そうですね!頑張りますよ!」



確かに戦闘経験は大切だけど、誤魔化しちゃいけないよー!

僕等は、直ぐに戦闘陣形を組んだ。

と言っても、盾役の二人が前に出て、舞花が真ん中、僕が、射程が一番あるから後ろ。

という具合の、簡単な陣形だ。


僕等が、陣形を組んだのと、敵が、鋳造っぽい片刃の刃物を構えて突っ込んで来るのが殆ど同時だった。


ピキューーー!と可愛い声を上げながら、斬りかかってきた。



「やあっ。」



七海が盾を出して受け止める。



「浅賀君!」

「ああっ!」



その隙に、浅賀が斬りこむ。

そいつは腕を切り落として、倒れた。



「よし、まず1匹!」



浅賀が、皆を励まそうと、こちらを向いて、叫んだ。

その振り向いたのが仇となった。

背後から、ラビットソルジャーが、飛んできていた。



「浅賀危ない!!」

「ああ?」



浅賀は背後に振り向いた。

しかし、間に合わなかった。



「ガァッ!」



2体のラビットソルジャーが、剣を振り下ろして、浅賀に攻撃をした。

幸い浅賀は鎧を来てたからダメージは少ないみたいだけど、脳震盪を起こしてるっぽい。



「七海どいて!ダブルショット!」



ダブルショットは魔力砲の初期スキルで、ただ二つの弾丸を同時に発射するだけの単純な技だ。


僕はそれで、一番離れた敵を狙った。スキルは少なかれ、誘導性能を持っているからだ。


ヒュウゥゥンと飛んでいき、しっかり胴体に当たってくれた。


この時血がたくさん出たため、舞花も戦闘不能となった。


残った二体は、勝てないと悟ったのか、逃げていった。




僕達は、舞花と浅賀の回復を待って、移動を続けることにした。

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卒業証書は受け取れない!? 蟹熊 @kanikumana

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