ほのかな甘さに油断していた途端、先を読む間もない展開に次ぐ展開に「ああっ」と心の中で声を出してしまいました。差し出した手をするりと抜けられてしまうような、焦燥感。けれど全てがそこが終点じゃないよ、とタイトルに気持ちがストンと戻る感覚がとっても不思議でした。
作者は、「今、無力なボク」の姿と思いを、読者が手が届くほど近くのPC画面に描いて、それも、ほんの数分で読み切る文章と速い展開で、読む人を引き込んだ。なんという才能だ!何もしてやれない読者こそが一番つらい。なんてことをしてくれるの。自分の無力さを痛感してこんなに泣くとは思わなかった。
文章が綺麗で引き込まれていたので、急展開に驚きました。こういう展開を考えつかれて凄いと思います。
物語も前半では、妙な緊張感のようなものが走ります。そして後半の展開に、「あ、なんだ、よかった」と思わずほっとしてしまいます。しかし、よくよく考えるとあまりほっとするべきことでもないと気づき、なんでほっとしてしまったんだろう、と考えさせられる不思議な作品です。
抒情詩的な物語と思いきや、ラストでガツン! と衝撃を浴びせられます。いったい何があり、どうして主人公はそんな境遇に置かれていたのか。さらに、描かれていない最後の先は、何が待ち受けているのか。タイトルからいけばハッピーエンドであってほしいと願います。でも、そう想像できないのは私だけでしょうか。短いお話なのに、読み手に様々なシチュエーションを考えさせる妙作とでも申し上げましょうか。読んだ五分間の後に、少なくともその十倍の時間、あるいはそれ以上の余韻を残す物語です。
この方は、読み手の思考を裏切るのが上手です。だから読む方は、あれこれ予想しながら読むのに、そのどれもをひっくり返してくださいます。気付いた時にはすっかり術中。しばらくずっとこの作者さまの作品を読んでしまいそうです。今まで出会ったことのない、すごい人に出会った気分でした。
短編ですが 冒頭から受ける印象と読後感がガラリとちがって面白かったです。 急展開とどんでん返しが素晴らしい作品でした。(くわしく書くとネタバレになるので。。)
朧月夜の歌から入るセンス良い導入は、映画の作りのようです。見事に引き込まれた世界に広がる白昼夢。映像は蜘蛛に殺された無残な姿の蝶々にも重なり。。。。そして、自分自身にも。奇抜は発想を言葉巧みにショートストーリーに仕上げた逸品です。
この作品の魅力は私ごときじゃ伝えられない不思議な描写で送られる刹那のストーリー?ごめん難しいわ奇妙な余韻に浸れるって意味では良いかもね
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