第7話 墓穴【ほんやさんのいんご】


 当店自慢は白い背表紙、黒い印字のクラシック本


 黒猫のブックカバーをご所望ですか


 死化粧をした作品をあなたに贈るたび、


 喜びとともに、菊の香りが手に移る。


 どうせ最後は火葬でしょうと、あなたは笑っておいでだけれど、棺の化粧としては上等です


 またいらっしゃい、墓穴はいつでも口を開いて待っているから

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