第22話 伝統

ぽんぽんぽん。


伝統とは、紙風船のようなものだね。頼りなく揺れる小宇宙。


誰のものにもならず、手から手へと受け継がれる。


時折穴が空いて、萎んでしまうこともある。


そのつど職人が修繕して事なきをえる。それは以前の紙風船とは違って見えるかもしれないけど、紙風船には違いない。


継接ぎだらけの紙風船、次は誰の手元に来るのかな。


ぽん、


ほら、あなたの処にも。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る