第64話 事務の加藤さん

リモート飲み会。画面の中には目にも入れたくない痛い顔ばかり。


僕は、あやたかの入ったコップを手で隠しながら乾杯する。


事務の加藤さんの様子がおかしい。白目を剥いたまま固まっている。回線の故障か。


僕は静止した加藤さんを肴に、あやたかを飲む。


別の日、加藤さんに、あやたかを飲んでいたことを指摘された。


やはりニーチェは正しかった。もう何も隠せないと悟った。おしまいだ、死んでしまおうかと思ったが、加藤さんの白目も相当だった。聞けばケツに人参を刺して参加していたらしい。


とりま次はいえもんにしておけば僕が下戸であることはバレないだろう。監視社会は本当に疲れる。



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