第19話 鈍い鋏

ざくざくと、姉さん自分の髪に鋏を入れた


いっぱしの女は自分で髪を切る。切った髪は誇りに変わった。


お前も早くこの痛みを知らなくちゃねと囁かれ、私は背筋を伸ばし、委ねる


ざくざく


姉さんの鋏は錆びていた。ひしゃけていた。どうしてあんな夜空を切り開けるのか不思議だった


できた!


私の髪は裂けていた 柘榴みたいにキズが残った


痛み止めはいらなかった。私は知った。


部屋にある道具箱には古い鋏がしまってある。私の鋏


ざくざく


私の夜空が花開く。誇りを感じ、髪を落とす十五歳




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