赤黒い血縁の縛りから逃れられなくなる

ドロドロと湿った血生臭い忌まわしい呪いが、まるで下水溝の沈殿物のように始終横たわるホラーです。

まるで、角川ホラー文庫作品を読んでいるような筆力に感服。
繰り返される惨劇や絶望に気が滅入りますが、不思議と読み続ける手が止まりませんでした。

春になって蝶を見かけても、邪な存在に見え、明るい気持ちにはなれなさそうです。
それくらい、読者の心に訴えかける名作。

ホラー好き必読です。

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