概要
一年ぶりに会った彼女はスイカになっていた。
一年ぶりに会った彼女はスイカになっていた。
「見て見て、ゆーくん。私、美味しそうでしょ?」
緑色に輝く彼女の姿を見て、僕は自分の間違いを思い知らされた。
人は、なろうと思えば何にだってなれるのだ。
*
少し不思議な青春小説です。短編です。
「見て見て、ゆーくん。私、美味しそうでしょ?」
緑色に輝く彼女の姿を見て、僕は自分の間違いを思い知らされた。
人は、なろうと思えば何にだってなれるのだ。
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少し不思議な青春小説です。短編です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!メロンだったら良かった……。ほんとに。
幼なじみがスイカになりたいという。
比喩とか冗談ではなく、本気で。
ここまでならよくある(?)不思議ちゃんの話かもしれない。
「いちごになりたいの」とか「レモンになりたい」系の女の子は過去にもいた。
ところが彼女は、生来の真面目さや能力も手伝ってか(いやそんなの関係ある? なれる? スイカ とか言い出してはいけない)本当にスイカになってしまうのだ。
私が好きなシーンはスイカノジョを保温機能付きリュックに詰め込んで誘拐するシーンだ。好きな女性をリュックにしまって自転車を漕ぐなんてロマンチックでしかたない。しかも彼女は意思を持ったまま、生きてる。喋れる。
……ちょっとサイコな香りですね。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!小説という形でしか成し得ない、スイカになった彼女の不思議な魅力
「かにみそ」というホラー小説があります。
ここで商業出版されているホラー小説のネタバレを語るつもりはないのでストーリーの話は割愛します。言いたいのは、その小説に喋ったりテレビを見たりする蟹が出てくるということです。見た目は妙に大きいだけのただの蟹。でもその蟹がとても愛らしいんです。面白くていい奴なんですよ、すごく。こういう友達欲しいなって感じで。普通に人とか喰うんですけど。
この小説を読んだ時、その「かにみそ」のことを思い出しました。
この作品の中で、主人公の幼馴染はスイカになります。「スイカみたいに〇〇」という逃げ道は一切ありません。完膚なきまでにスイカです。丸くて緑色のア…続きを読む