まるで現実との境界線が侵食されるかのように、もしかしたら明日これが起こるんじゃないか。もしかしたら既に起こってるんじゃないかとゾクリとさせられるSFがあるけど、この全自動称賛機もそういった怖さを味合わせてくれる切れ味の鋭い短編だった。小説投稿サイトに投稿される作品であるということも含めた設定とか毒の利き方には思わずにやりとさせられる秀逸さがある。
――評価とは無縁の、本当の芸術ってものが世の中にあると思っているのだったら誰にも見せずにタンスの中にでも閉まっておけばいい。非現実の王国のようにな。(本文より抜粋)『非現実の王国で』を執筆し…続きを読む
最後の全自動称賛機への問いかけが秀逸です。あの一言で一気にこの小説のおもしろさが増しました。特にこのサイトを利用している方にはひびく一言。
最初は最近流行りの暴露記事とか批判記事的なものだと思って、何かと思って読み進めてたら、最後まで読んでしまった。あ~、これありえそうで怖い。でも、あったらすごく助かる。いや、でも、んー。
実在する小説投稿サイトにも、SNSにも全く関係がありませんが、こういうのもありだな、という一つの可能性を持った非常に現実的な「現代の風刺画」的な作品でした。面白かったです。
もっと見る