カエルの脚を切っては投げるひと夏の文学的青春物語

各章のタイトルからも村上春樹作品へのパロディ意識を感じますが、全体としてはパロディ要素をやりつつも尖ったオリジナリティを持った作品になっているのではないかと思います。
第一話のカエルの脚を切るどうしようもないダメさを漂わせる夏の光景は、ヒロインの造形とも相まって非常に心に刺さるような、どこかノスタルジックな雰囲気を漂わせており、なんともいえない良さがあります。
行き場のないモラトリアムから主人公がどう動くのか。ストーリーは勿論、作中の雰囲気も楽しみにしながら続きを待ちたいと思います。

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