心を握りつぶされるような切なさ。この少女は、特別ではない。

この短編は、日々を生きること、それ自体の切なさを端的に表しています。

主人公の少女を見ていて、毎日なにかを諦めていて、それが当たり前になっている自分に気づきました。
嫌なことがあっても、我慢しないと生きていけない。良いことがあっても、それが100%良い日であったかというと、そうではない。
色々なしがらみにとらわれて、身動きがとれなくなって、それでも「良い日」を求めるならば、祈ることしかできない。

衝撃のラストの中、それでも少女の気持ちに共感できるのは、私もまた、「日常」のしがらみにとらわれ、多くのものを諦めているからでしょう。
そんな中、祈るしかできない少女に、心を握りつぶされるような切なさを感じました。

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