概要
「いい日」ってなんだろう――。女子高生の、考える日常。
「明日こそは、いい日になりますように」。
転校を繰り返す少女、長瀬志保は毎晩、星に祈って眠る。
でも、「いい日」ってなんだろう?
転校初日の彼女が過ごした一日と、その思考を追った一人称短編。
転校を繰り返す少女、長瀬志保は毎晩、星に祈って眠る。
でも、「いい日」ってなんだろう?
転校初日の彼女が過ごした一日と、その思考を追った一人称短編。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!すべての透明な少女のために
「色褪せた日常」という言葉がありますが、なら色が剥げる前はどんな色だったのでしょうか?
赤? 黄色? それともどどめ?
この短編の少女の色は「透明」なのだと私はずっと思っています。
透明なんて「色」はないんじゃないかな? って意見は積極的に黙殺しましょう。
「色褪せるべき日常」、未来・現在・過去の関連性……これらについて触れると積極的ネタばれになってしまうので伏せます。
だけど、故に「透明」。
どこまでも等身大な少女の日「常」であるがために、みんなの共感を呼び込み溶け込む「透明」な「色」。
この短編はたったひとりの少女「長瀬志保」のためのものと見てもいいし、すべての少女に向けた寓話とみて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心を握りつぶされるような切なさ。この少女は、特別ではない。
この短編は、日々を生きること、それ自体の切なさを端的に表しています。
主人公の少女を見ていて、毎日なにかを諦めていて、それが当たり前になっている自分に気づきました。
嫌なことがあっても、我慢しないと生きていけない。良いことがあっても、それが100%良い日であったかというと、そうではない。
色々なしがらみにとらわれて、身動きがとれなくなって、それでも「良い日」を求めるならば、祈ることしかできない。
衝撃のラストの中、それでも少女の気持ちに共感できるのは、私もまた、「日常」のしがらみにとらわれ、多くのものを諦めているからでしょう。
そんな中、祈るしかできない少女に、心を握りつぶされるような切…続きを読む