ファンタジー小説たらしめる美しき幻想譚がここにある。
- ★★★ Excellent!!!
治癒師の少女ファランと美しき妖魔の戦士ロスタルが出会い、そして物語は紡がれていくが……。
特別な術を使えないがゆえに役立たずを意味する『癒しの箱』と揶揄されるファランですが、そのけなげな姿はとっても好印象。『二つ頭』の異名を背負いしシグリドの傷を手当した時点で、“君は役立たずじゃない”と思いましたしね。
ファランとシグリドのなんとももどかしい関係にやきもきされつつ、話を読み進めていくと、シグリド(今のところ主人公よりも目立ってる!?)の回想が始まるのですが、兄シエルを思う彼の男気に惚れてしまいます。
『種族を超えた愛』が主軸の一つになっているからなのか、映画『ヴァンパイア・ハンターD』を思い起こさせるような雰囲気もあり、私は楽しく読めました。
異世界転生ものもいいですが、こういった生粋のハイファンタジーもどうでしょうか、皆さんっ!