概要
砂漠の国に生まれ、いつかは国の為に高値で売られる運命の『宝石』『花嫁』の少女――ソキ
白雪の国に留め置かれ、望まぬ婚姻が結ばれようとしていたが……。
「――ソキ。アンタは、魔術師の卵。アンタはこれから、アタシと一緒に旅をするの」
妖精の訪れは『魔術師』としての目覚め。五カ国を渡り、旅をしていくのがその定め。
魔法学園に入学するまで旅ファンタジー!(ソキ、ロゼアちゃんのトコに帰るですうううう!)
そして、その足取りが。やがて世界を覆していく。幾億の願いを束ねた先へ――世界存亡ファンタジー。
『希望が鎖す、夜の別称』を連載中。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!噛めば噛むほど味がでてくるスルメのような、そんなお話です。再読推奨!
最初にこのお話に出会ったとき、幼い魔法少女のお話だと思いました。
んんーあんまり好みじゃないかも。私、シリアスな成長ものが好きなんだよねー。
主人公のソキという耳慣れない音の名前や、幼女のような口調もなんだかなー………そっと閉じ。
いや、そこで閉じなかったら良かった、もっと早く読めばよかった!
ダメ、食わず嫌い。
その後も何度か、何かに導かれるように、このお話に出会い、そっと閉じを繰り返し。
そして何度目だったでしょうか。
こう何度も「あなたの好みだと思う」と紹介されては、やっぱり気になるよねと、はじめてちゃんと読み進めました………結果、どっぷりハマりました。
幼いと思いこんでいた魔法…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「ソキはガッツと根性でがんばりますですよ!」
いや、無理だよ(断言)
数歩歩けば転んでしまう、馬車も無理、そんな「自力で歩けるように」育てられていない砂漠の花嫁・ソキ。
魔術師の卵として旅に出ることになったけど――いや、無理! 人間には限界があるんだよ!? と何度叫びたくなったことか!
けれどもソキちゃんは本当にガッツと根性で、そしていろんな人たちに助けられて旅をします。
夏至の日までに学園にたどりつかなければならない――ソキちゃんは無事たどりつけるのか? ソキちゃんの言う『会いたい人』って? そわそわどきどきしながら旅の日記をめくりましょう。
人々を魅了してやまないソキちゃんに、読み進めれば読み進めるほどきっと、読者も虜にされて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!頑張れソキちゃん!! 手に汗握って、思わず応援したくなる。
気づけば、引き込まれていました。どんなに目の前に立ちはだかる壁が大きくても、自分の力で、あるいは周りの人の力を借りて、必ず乗り越えてゆく主人公の女の子。そして、少女を支え導く案内妖精。
二人の旅日記は、あたかも彼らと一緒に自分も旅しているかのような錯覚を引き起こします。周りの人目線、妖精目線、読者目線で、ただひたすらに前を向いて進んでいく少女を応援したくなります。
また、そんな風に物語へぐっと惹き込んでくれるのは、ひとえに二条さんの情景描写、心理描写の美しさです。ある時はさらりと、ある時はまっすぐに、ある時は細やかに。それでいてとても読みやすい。じっくり味わいたいのに、先が気になって仕方…続きを読む - ★★★ Excellent!!!つたないけれど頑張る少女
ついつい、いっきに最後まで読んでしまいました。
すっかり物語と、そして主人公をはじめとする登場人物たちの魅力に引き込まれてしまい、気が付いたら主人公の旅は終わっていました。
でも、もっともっと続きをみたい。学園で、新入生たちで、どんな物語が紡がれていくのか見てみたいです。
この小説の魅力を一つ一つ書いていったらキリがなくなってしまいそうですが。
まず特筆すべきは、情景描写の巧みさ。
それは二条さんの小説全般に言える魅力かと思いますが、この小説ではファンタジー世界の世界観という現実には見ることができない情景が、あたかも目の前で映像を見せられているかのように鮮やかに脳裏に浮かんだ瞬間を何度…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ハラハラの旅日記
魔術師の卵として選ばれた主人公が、迎えに来た妖精とともに魔法学園に旅をする物語です。
と一言で書いてしまえば、単なる旅日記か、と思われるでしょうが、違います。
まず主人公が、それまでの境遇により、これでもかというほど虚弱です。
ちょっと急いで歩けば必ず転び、馬車に乗れば体調を崩して熱を出してしまいます。
こんな、こんな虚弱で、大丈夫なの?
あまりにもハラハラして、思わずマウスを操作する手にぐっと力がこもってしまうほどです。
そして、主人公を取り巻く様々な思惑が、旅路に花を添えます。
ある者は親密に、ある者は悪意を持って。
そんな中、案内妖精との絆が深まって行くさまは、不…続きを読む - ★★★ Excellent!!!立てばフラつき3歩で転び馬車に乗ったら熱を出す、旅人不適格女子の旅路!
歩くのが苦手で、すぐに転ぶ。
乗り物が苦手で、すぐに吐いたり熱が出たり。
そもそも、体調を崩しやすい弱い体である。
旅……? できるの……?
思わず首をひねりたくなるほど儚い主人公ソキちゃんが、案内妖精に導かれながらガッツと根性で4つの国境を超えていく物語です。
旅の相方であるツンギレ妖精ちゃんや、面白おかしくて親切な先輩魔術師さんたちなど、脇役もキャラが濃くて素敵な人ばかり!
反面、主人公を取り巻く悪意はどろりと粘つく厭らしさがあり、そのギャップで読者を揺さぶってきます。
そんなお話は、キラキラと色づく星のような、サラサラと流れる清水のような、美しい文体で綴られてい…続きを読む