つたないけれど頑張る少女

ついつい、いっきに最後まで読んでしまいました。
すっかり物語と、そして主人公をはじめとする登場人物たちの魅力に引き込まれてしまい、気が付いたら主人公の旅は終わっていました。

でも、もっともっと続きをみたい。学園で、新入生たちで、どんな物語が紡がれていくのか見てみたいです。

この小説の魅力を一つ一つ書いていったらキリがなくなってしまいそうですが。

まず特筆すべきは、情景描写の巧みさ。
それは二条さんの小説全般に言える魅力かと思いますが、この小説ではファンタジー世界の世界観という現実には見ることができない情景が、あたかも目の前で映像を見せられているかのように鮮やかに脳裏に浮かんだ瞬間を何度も経験しました。視覚だけでなく、聴覚や嗅覚、触覚までも追体験させてしまう文章力は、羨ましいを通り過ぎて憧れてしまいます。

物語も、とてもよく練りこまれていて、引き込まれました。主人公の、旅には非常に厄介だと思われる体力も、性格も、執着も、それぞれにちゃんと理由があることが追々わかってきて、ああ前半のあの行動には、こういう理由があったのか…と明らかになっていくのが面白かったです。

登場人物たちも魅力的で、妖精と主人公の関係が少しずつ少しずつ変わっていくのも心地よくて。

この後に続くお話も、楽しみです。

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