概要
「今、私、木の上にいるの」
客の来ないアンティーク店の店番をしている僕。
店主は海外へ買いかけに行ったまま、帰って来ない。
二週間ぶりに電話が鳴って出ると、店主からだった。
「私、今、木の上にいるの」
店主は海外へ買いかけに行ったまま、帰って来ない。
二週間ぶりに電話が鳴って出ると、店主からだった。
「私、今、木の上にいるの」
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!時よ過ぎて、希望と絶望よ回れ。
実はこの作品は、他の小説投稿サイトで拝読して以来、かなり虜となってしまった作品である。
誰しも心に、希望と絶望が巡り来る。そういうサイクルで、人は成り立っている。
我が儘で困ったところの多いアンティーク店の女店主は、けれどどこか憎めず、愛嬌すらある。
そして彼女に翻弄される青年は、振り回されて、辟易している。
しかし辟易の中にも、躍動する喜びが微かに垣間見えるのは、私だけではあるまい。
作中、二人は絶望のターンに囚われている。
そこを抜けた時、彼らに見える世界はどんなものだろうか。
サン・リーフの上から。
或いはそこから降りてきた時。
やがて必ず巡って来る希望のターンを夢想しながら、…続きを読む