まず「蝶を食べる」というインパクトのある設定から始まる。すると、不思議と「蝶を食べる」風景が鮮明に頭に浮かんでくる。もしかしたら我々は、覚えていないだけでかつて皿に盛られた蝶を食べたことがあるのかもしれない。いかようにも解釈しうる内容。しかし、その空白の大きく取られた内容のわりに情景がはっきりと目に浮かんでくる。秀逸。作者の脳内に浮かんだ情景と、不条理に対する不安をそのまま文字として抽出したような作品。可愛くて切ない。文芸の極み。
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