時よ過ぎて、希望と絶望よ回れ。

実はこの作品は、他の小説投稿サイトで拝読して以来、かなり虜となってしまった作品である。

誰しも心に、希望と絶望が巡り来る。そういうサイクルで、人は成り立っている。
我が儘で困ったところの多いアンティーク店の女店主は、けれどどこか憎めず、愛嬌すらある。
そして彼女に翻弄される青年は、振り回されて、辟易している。
しかし辟易の中にも、躍動する喜びが微かに垣間見えるのは、私だけではあるまい。

作中、二人は絶望のターンに囚われている。
そこを抜けた時、彼らに見える世界はどんなものだろうか。

サン・リーフの上から。
或いはそこから降りてきた時。

やがて必ず巡って来る希望のターンを夢想しながら、ご一読いただきたい。

円やかな作品だ。