第10話 暴動
喧騒、怒鳴り声、悲鳴、嗚咽、わたしが
どうやら争い合ってるのは二つの集団の様で、一方は白。もう一方は黒の衣服に身を包み、各々が手にバットやヘルメットを持ってそれを敵対する相手に見舞っている。
「何……これ」
わたしの口からぽろりと溢れた言葉は喧騒の中に吸い込まれる。アンバーの話では名前を決めるとの事だったが、何処でどの様に決めるのか、わたしには分からない。
「サマンサ?サマンサ?何処なの?」
わたしが彼女の名前を呼んだ時、鈍い音がわたしを襲った。多分石ころか、何かの角材。頭に激痛がはしったかと思うと、辺りがぼやけ始めた。喧騒が次第に遠退き始める。意識を保とうとすればするほどわたしは孤立していく様な気がした。一刻も早くサマンサと合流しないとならないのだが、どうやら立ち上がれそうにない。
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