白雪花房

　魔王が潜む闇の領域との狭間の土地。 　夜は闇に、朝は霧に覆われる場所。 　魂は眠るその場所は、かつての伝説の舞台。 　古の約束と共に、その物語は語り継がれる。

入浴直後に突然召喚され、フルチンで現れた青年。呼ぶと決めた張本人である王は、彼に服を着替えさせた後、世界を救う旅に出ろと命ずる。魔王が災厄をもたらすらしい。来訪者からしてみれば急…

　夏休み。祭りに行く相手がいない。家じゃ一人ぼっち。 　部活はあるので学校に通う。煽り煽られながら学園生活を過ごす、同じ部活の仲間がいた。 　VRを用いたゲーム部の対戦を用いた大…

テレビで旧友が成功を収め、表彰される場面を見て、ムシャクシャと走り出した。 私は平凡な高校を卒業し、なにも得られず、田舎でフリーターを続けている。 そんな自分よりも惨めな奴が、ま…

勇者は罪を犯し、民衆の前で炎に包まれた。死した彼は退廃的な世界に転生する。滅びの気配が間近に漂いながらも、まだ勇者は動かない。いつまで経っても無気力なままでいる青年の元に、炎の悪…

魔王の討伐が終わり、用済みとみなされた二人。聖女が魔を信仰する団体に祀り上げられ、新たな魔王として君臨し、封印された。それを黙って見ているしかなかった勇者。彼は無気力に日々を消費…

いわくつきの宿で殺人事件が起きた。 本来なら詮索無用。治安維持隊も即、手を引いた。彼らは揃って真実は分からないと言うけれど、犯人は明らかにロゼという名の娘だった。 彼女の一族は殺…

決戦の荒野で魔王を名乗った青年と、聖女は対峙する 元は友情関係も築けそうだった二人。 第一印象は悪いながらも確かな信頼がある。 ただし彼は一度も本心を伝えなかった。 そして、決戦…

夏の日差しが照る草原には赤と黄色の花が咲き乱れ、尖ったデザインの小鳥が羽ばたく。奥の森にはピンポイントで暗雲が掛かり、魔の巣窟と化していた。 獣から逃げる少年は自分がそこへ向かっ…

あまりにも自作メタファー辞典が消えるので（３回目）、こちらにのっけて保存しようと思います。 自作小説の解読書にもなっています。 ちなみに小説家になろうで、色に関して調べたことを”…

今でも夢に見る。湿り気をふくんだ暗闇の中で少女のほっそりとした影が、浮かんでいた。絹の髪が縁取る白い顔が、ろうそくの火のように頼りなく揺れる。表情はなく色もない。薄く開いた唇から…

平凡な日常。灰色の人生。口に出すだけで願いが叶う魔法があればいいのに。子どものように夢を見ていた。 ある日、底冷たい街で占い師の見た目をした能力者と出会い、言霊の力を手に入れる。…

　報われない創作活動に悩む男、砂原望は気晴らしに深夜の徘徊に出かける。たどり着いた公園で出会った女は、月を見上げていた。 　彼女との付き合いによって、作家を志す彼の人生は一変する…

少年と少女は夏の終わりに、様々な思い出を語り合い、未来への希望を口に出す。しかし、二人は知っていた。互いにとっての同じ夏は訪れないことを。

まずは3本だけ投稿します。随時増やす可能性はあります。練習用にストックを10作ったので、そちらを推敲して、投稿するかもしれません。今はまだ予定。実体験ではないため、エッセイ風創作…

辰崩町は古い風習が残る地域であり、古の時代に龍が退治された土地でもあった。かっては水運に恵まれ、今は洪水に悩まされている。このところ雨が降り続き、住民は生贄を求め始めた。そんな中…

中秋の名月。なぜか月に惹かれる少女秋穂は、家族と共にお月見を楽しむ。母の誘いで外に出ると、すすきや団子で装飾が施されていた。やがて父はギターを片手に歌いだし、母はセンスを片手に舞…

夢で見た月の都の世界に憧れ、創作の道を志した文子。彼女は無事プロになり、今日も原稿の締め切りと戦っていた。そんなある日、急に月の扉が開き、白くもふもふのうさぎが中庭に降り立つ。異…

自画像を白く塗りつぶし「vacancy」と題名をつけた若者ソラは、自信満々にコンペティションに応募するも、あえなく落選する。失意の中、現実逃避のために旅に出た彼は、奇妙な館にたど…

水底の楽園は崩れ去り、人魚たちの平和な日々は今や、透明な夢と化した。密猟者たちに捕らえられた人魚は奴隷として売り払われる時を待つ。刻限が迫るような絶望的な状況下、奇跡が起こる。そ…

不老不死の果実を求めて西の果てにたどり着いたマレビト。 黄金のりんごが落ちる瞬間、島の女たちが織り成す豊穣の祭りが始まる。祈りの唄に彩られ、祭りの果てに輝きを手にしたとき、もう一…

両親の葬式時、奇妙な人々が多く詰めかけ、不穏な言葉を吐いては去っていく。雨の降る霊園の前で少女は親戚から毬を受け取る。彼女の名は皐月毬明。その名前の意味を、本人は知らない。果たし…

ささやかな日常の風景を切り取ったつぶやき。実質、ネタ帳です。上のほうは500字前後・下手すりゃ100字以下と短いので、気軽に読んでください。機会があれば推敲もしくは長編化して投稿…

戦乱の国。人々は富を求めて殺し合う。村は消え、多くの命が奪われ、かつての穏やかな日々は遠い夢のように感じられた。そんな中、奈摘女は巫女として祭祀を行い、舞を踊る。荒ぶる魂を鎮める…

　別世界かと思うほどに幻想的な空の下、青年は夜を具現化したような少女と出会う。彼は彼女との本当の出逢いをまだ知らない。これは実際に起きた、だけど誰も覚えていない、夢のような話。

辰巳村はなんの変哲もないただの村。だけどそこには奇妙な話が伝わっている。例えば深遠なる森には異界へ繋がる井戸があり、災厄を封じ込めているのだとか。それが解き放たれたら世界は闇に覆…

　夜、絶海の孤島に純白の騎士が現れた。彼は雨宿りをさせてほしいと、黒ずくめの少女に頼む。しかし、彼女は相手を拒絶した。 　気づいたときから無人島で暮らしており、以前の記憶は頭にな…

　自身の物語を悲恋で終わらせた魔女、メラニー。 　大切な彼と愛し合った痕跡を遺すために、彼女は最果ての楽園に封じられることを選んだ。 　その何人もたどり着けぬであろう場所に、ある…

　容姿端麗の令嬢、美姫の元には男が寄ってくる。花の蜜に集まる虫のように。 　金目当ての婚約者に婚約破棄を突きつけ、自宅に戻る途中、機械人形の姿をした男と出会う。彼は魔女に心を奪わ…

見知らぬ異世界に降り立った、自称物書き（男）。彼を呼び出した神を名乗る美女は告げる。「間違えて呼んじゃった。悪いけど元の世界へは帰れないんだ。代わりに特別な力をあげるから許して（…

　若葉町には英雄がいる。江戸時代ごろ、鬼が出没し、人々を襲った。村が滅亡の危機に瀕したとき、一人の男が木刀を手に立ち向かい、民を守ったという。この物語は高校の教室で話題にされるが…

　雪の降る静かな夜、秋人は美冬のアパートを訪れる。彼とは幼馴染であり、恋人同士。しかし、美冬は身を引く。想いは募るのに彼女は彼とは関わらない。関わってはならない。そう固く決めた理…

　企画用。 　九割、手紙。 　話の切り方を迷いました。具体的に言うと、種明かしをするか否か。

　バレンタインかー、完全に忘れていた。あいにくと、縁がないもので。でもせっかくだから書いてみよう。短いけど。 　そんなわけで、書き下ろしました。

　私は奥手な少女だった

　書き下ろしました

酔った元不良とその友人は、森の中で偶然祠を壊し、封印されていた怨霊を解放してしまう。彼は友人を見捨てて逃げ出し、自分だけが生き延びた。たどり着いた場所は桃の香りがただよう桃源郷。…

　企画用。 　今は華やかでルージュが似合う女性だが、かつての彼女はどちらかというと地味な存在だった。そんな彼女がなぜ今のように着飾るようになったのか。全てはレモン味の初恋にの中…

　助け合いの発生しない無情な街。 　そこに住む娘と一人の青年が恋に落ちる。 　彼らの恋は甘く煮詰まっていく。

　企画用。 　崩れそうなビルの屋上で自殺をしようとしたところ、藤色の目を持つ女が助けに入り、逆に転落死する。ところが彼女はアスファルトの上で再生し、元に戻る。なんと、女の正体は不…

『僕は勇者にならない』の続きを投稿することが難しそうなので、供養として下書きを上げます。 　あくまで下書きであるため、クオリティは保証できません。特に文章に関しては未推敲です。書…

　青年(真白)は勇者として異世界で戦い、最後に自らを封印する。三〇〇〇年たって目覚めると、町は現代風に変わっていた。一方で、青年の戦闘力は〇。本人も、勇者としての責務に興味がなか…

　自主企画『同題異話・十一月号　　図書館暮らし。』 　先日火事で家を全焼する悲劇に見舞われた少女、ナオコ。彼女は「図書館暮らし」という怪しげな従業員募集ハガキに導かれ、山奥の図書…