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久保田弥代
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2017年4月20日 21:05
【5/24更新】〈誰かに校閲・しっかりとした感想~〉のレビュー作品一覧【コメ白熱】
自分のメモ兼情報提供的な意味も込めて、この企画で書いたレビューと対象作品について、一カ所にまとめておきます。文末には作品選択基準やらなにやら、自主ルールをば。
★の数の基準は、原則としてコラムに書いたものから変えません。が、まぁそこは臨機応変で。
( i )フォローや☆の基準
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880619061/episodes/1177354054880623012
-------〈レビューした作品一覧〉---------------------
言祝ぎ(マスカワ シンスケ)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882337083
夕暮れに染まるまで(咲川 音)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882281316
沈黙の盲点(伊藤 薫)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881233876
スープ(水上 雪)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881683584
雨の日の君(青空リク)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882706256
キリトリセン~芸術的勇者~(寝る犬)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881973001
www.JK(川津 中)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881629415
スタちゃん(やぶ猫)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881980860
風の物語(@natumi-satoru)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882335284
(★ではなく応援コメントを残した)
僕の世界と彼女の世界(木原 唯)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882625308
僕の願いをかなえて(楠 秋生)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881120523
ゴルバチョフの午後(鳥海勇嗣)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881280940
インク式映写機(木井智子)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883127540
(★ではなく応援コメントを残した)
光彩陸離なる背景の前で、透明な(@kage_naru_tsuki)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883102264
(★ではなく応援コメントを残した)
逢魔が時の一期一会(?)(猫背の人)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883077095
(★ではなく応援コメントを残した)
君の瞳に映るもの(水無月くるみ)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883063178
(★ではなく応援コメントを残した)
替え玉(今田ずんばあらず)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883002465
(★は単独、テキストは応援コメントに残した)
↓■NEW■@5/24
深海(宮澤真宙)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882574198
↓■NEW■@5/24
ときめきに死す(ららしま ゆか)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882191378
↓■NEW■@5/24
遠恋(奔埜しおり)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881133608
-------〈作品選択の自主ルール〉---------------------
1)完結している(未完結だと本格的に評価できない
2)文字数最大30000字以下(時間が取れない
3)ラブコメ除外(読むの苦手
4)詩ジャンル除外(判断する脳が違うので今回パス
5)評論・エッセイ類も除外(小説を読みたい
6)同作者の作品評価は一本のみ
※)ある時点の、企画参加作品リストを下から目で追いかけて、当てはまる作品を開いている。
※)たくさんやりたいけども、全部出来るとも思ってない。
-------〈レビュー文の自主ルール〉---------------------
●最低限、自分が普通に読んで「★」付けるだけの作品に対して書く。そうじゃない作品は、その時によってなにもしないか、応援コメントとしてなにか残すか。
●なるべく、通常のカクヨム規定にのっとったレビューと、本格的にぶっこむレビューの二段階にする。レビュー一覧に載る部分に本格をぶっこむと、他のユーザーに引かれてしまうかもしれないから。
●本格レビュー部分は、レビューというよりは批評とか評価、上達のための指針のつもりで書く。
●偉ぶらない。
久保田弥代
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19件のコメント
楠秋生
2017年5月3日 22:09
こんばんは。
この度はとても丁寧に読み込んでいただき、レビューをありがとうございました。取り急ぎお礼申し上げます。
改めて伺わせていただきます。
久保田弥代
2017年5月4日 08:13
_(´ㅅ`_)⌒)_ これはわざわざ痛み入ります。なにかのお役に立てていたらいいのですが。なんかお尋ねになりたいことなどありましたらこちらでどうぞ。
楠秋生
2017年5月4日 11:13
こんにちは。
やっと落ち着いてPCの前に座ることができたので、改めてお礼に参りました。
この度は、親切丁寧な批評をありがとうございました。先日、久保田さまの近況ノートで『一人称話者における小説に対する自覚と無自覚』に関する討論を読ませて頂き、感銘を受けました。そして読者企画でのレビューにまた感動して応募させて頂いたのですが、本当に懇切丁寧で感謝でいっぱいです。
一人称の難しさを改めて感じました。もう一度読み返し、改稿していこうと思います。
読点は、指摘されて読み返してみると、確かに少ないですね。……中高生の頃、作文や感想文が大嫌いで、読点だらけなのを指摘されていた反動でしょうか(;^_^A 今後気をつけたいと思います。また、これまでの作品も読み返して改稿していきたいです。
言葉の粗さ……これは「油断」・「慣れ」ではなく、明らかに筆力不足ですね。改めて指摘されてう~ん、と唸りました。そうすぐに上達はしないでしょうが、向上できるよう意識して書いていきたいと思います。
切磋琢磨していきますので、これからもよろしくお願い致します。
※ 質問
無意識一人称の場合、どの辺りまでで人物像がわかるようにすれば適当なのでしょうか。
久保田弥代
2017年5月5日 01:15
_(´ㅅ`_)⌒)_ おや、その話をご存じでしたか。レビューに「~自覚が薄い」と書いて、さて理解されるものかどうか、とヒヤヒヤしていたのですが、それならよかったです。
ご質問のことですけども、まずは自覚的か無自覚かを問わず、「必要があれば全部」というのを原則に考えるのがいいと思います。
自覚的な主人公に見られる、地の文で「僕の名前は……で、年齢は……で」などとやるのは、個人的にはあまりスタイリッシュとは感じないので、やりたくないし読みたくもないのですよねぇ……
なので、自分としては、そうした「説明的な説明文」にならないように、地の文で自然な流れに組み込んで、主人公の人物像が読者に伝わるようにしたいと考えています。ですから、自覚か無自覚かは区別がないのです(同じ手法でやるので)。
「必要があれば全部」というのは、「不必要なら書かない」ということでもあります。長編になると、読者とお付き合いする時間が長くなるので情報は多い方がいいですが、短編だったり、長編でも作者側に意図があったりしたら、「必要」の程度が下がっていきますね。
特に短編では、いちいち全部説明していたらかえってまどろっこしいですし。
「必要」をどう見極めるかは、作品の内容や作者の意図によります。その作品で、そこに触れないでいて不自然ではないか、読者に不都合はないか。これを見極めることです。内容によるので、作品ごとにこの程度は変わってくるので、一概に「これとこれを書けばオッケー」とは言いづらいです。
ただ個人的には、あんまり必要がないのが外見。絶対に落とせないのが年齢(層)だと思います。
(ここが明確でなかったのが、御作では気になったわけです)
年齢が落とせないというのは、年齢によって、その人物が使う語彙や、思考方法がおおむね決まるからです。
(ただ、一定以上大人の年齢になると、これがかなり平均化されていくので、だいたいの年代だけで済みます。二十代後半、とか)
逆から言うと、一人称の記述に使われる語彙や思考によって、読者はその主人公の年齢を憶測することが出来ます。ここをうまく書くことによって、わざわざ「ぼくは小学何年生」などと明言しなくても、主人公の年齢は表現できます。
たとえば。
語彙とはちょっと違いますが、何かの計算に悩んで「こんなことなら、この前初めてやった割り算の授業、もっとちゃんと覚えておけばよかった」と述懐させれば、この人は小学三年生くらいなんだなと分かる、といった具合です。
こうして、主人公の人物像を表現することが出来る物事、イベント、会話を、話の筋の中に溶け込ませて盛り込むことが出来れば、上出来でしょう。
あくまでも個人的な意見、主義ですが、一人称の文章は、その主人公が書ける、考えられるものでなければならないと思っています。ここを違えると、主人公が、ひとりの人間ではなく、作者の代弁者・操り人形のようになってしまって、そういう作品は読んでいて残念な気持ちの方が先に立ちます。
そういう点で、作者が主人公に入り込んで執筆するためにも、年齢は重要だと思います。
また、年齢層さえ提示しておけば、読者の方が勝手に「その年齢層のイメージ」を浮かべてくれるということはあります。外見の描写の必要性を低く考えているのはこれが理由です。作者としては読者のイマジネーションを阻害せず、そこから逸脱する設定だけ、補完する程度でいいだろうと思います。
外見については、読者がイメージできる条件を整えること、くらいでいいだろうと。
その他の、たとえば性格については、文章とその人物とがイコールでさえあれば、文章そのものが性格の表現になってくれます。出会った物事に対して、怒りっぽく反応するのか、辛抱するのか。台詞として出る言葉遣い、地の文で出る気遣い……そうしたところで読者に分からせるのがスマートだと思います。
これも逆から言うと、こういう効果を出せるように、人物と作者は分離しているべきなのです。
実例あるといいんでしょうが……
いい例(成功例)ではないですが、拙作短編『昇る日』では、主人公の年齢も外見もいっさい描写・説明がありません。唯一年齢だけ、主人公が「中学卒業を控えた今では……」と地の文で述懐することで提示しています。主人公に透明感を与えたかったので、その他の説明は排除したのです。これは、作者の意図によって「必要」を切り捨てた例です。
その代わりこの作品では、地の文や台詞から、読者が主人公像をイメージしやすいように、またその後も抱いたイメージを崩さないように心がけて書いています。主人公の繊細さや優しさが伝わるような言葉を選んで執筆していました。そのセンスは、筆者自身のセンスとは違ったものです。
長ったらしくなりましたが_(´ㅅ`_)⌒)_ こんなところです。
質問どうぞとか言っておいて申し訳ないですが、あんまり「答え」めいたものをズバっと出したくないなと思っておりまして(今やってるレビュー活動でも同様)。せいぜい「指針」くらいに留めておきたい。
誰かの答えに「なるほど」と従うよりは、「指針」に基づいて自分で模索していった方が、その人の作家性をねじ曲げないと思うのですね。
なので済みませんが、こうしたことを「指針」として、明確なものはご自分の力でもぎ取って欲しいと思います。
_(´ㅅ`_)⌒)_ 半端ですんません。どうぞがんばってください。
久保田弥代
2017年5月5日 07:44
>どの辺りまでで
Σ_(´ㅅ`_)⌒)_ むっちゃ長く書いたけど、もしかして情報提示のタイミングの話だったッ!?『どの辺りまで』と読んで内容に触れてしまった……(無駄な労力
えーと_(´ㅅ`_)⌒)_ それでしたら、まぁ全体分量の一割以内で、出す分の情報は出し切っちゃうのが親切ですかねぇ。だからといっていきなり人物像描写から入れってわけでもないですが。
プロローグがあってそこに語り手が登場するなら、そこで必要な情報は出しておく、とか考えてもいいかもしれません。
(もちろん、物語的に秘密にしておきたい部分は、秘密にしておいていいのです)
短編や掌編だと、これでは序盤が人物像の情報に占められてしまうので、全部書く必要はありません。その辺りのさじ加減は、上のコメントを参考に適切なところを探ってみてください。
_(´ㅅ`_)⌒)_ ということで。よかった最後に前のコメント役に立ったわー
馳月基矢
2017年5月6日 08:11
久保田先生のレビューを楽しみにしている者の一人です。
一人称における話者の年齢をいかに表すか、重要ですよね。
美味しい話&恋の話コンテストでも、文体と年齢の齟齬を感じる作品があります。
特に、一人称の話者が書き手にとって異性で且つ年代が違う場合、ありがちです。
だから『∠Cを片想いとする直角三角形におけるθの悲劇』のJKっぷりや『地球獣ボコイ』の「おいら」の可愛らしさは、やっぱり凄まじいです。
全然違う話ですが、「短編における作中世界の時間経過」についてお尋ねしたく。
4千字~6千字の短編で「時間経過による厚みや奥行き」があると感じられる作品と、時間経過を持たせたために駆け足になったり飛び飛びになったりしていると感じる作品があります。
時間経過があるからこそ成功している短編と、短い時間を切り取るからこそ成功している短編、というのもあります。
時間経過の描き方にしても、回想が非常に効果的に働いているケースと、回想がうまく功を奏していないケースがあります。
具体的にどんな点が違うのでしょうか?
自分が書く場合はかなり直感的にやっているようで、改めて考えてみても、きちんとした答えが出てきません。危うい。
ちなみに今回のコンテスト、あまりたくさんは読んでいませんが、時間的な厚みの点で印象に残ったのは爽川みつくさん『レシピのないカレーライス』でした。
唐突な冒頭にガツンと持っていかれて、そのまま引っ張られて潜っていく感じでした(表紙とキャッチにそのパワーが十分現れていないのが勿体ないです)。
短い時間を描いた作品では、プリンぽんさん『春の秋波は宵待ち草よ』とねじさん『焼いたらおいしいチーズの種類とか安いワインの飲み方とか』が印象に残りました。
純粋に文章がうまいからグダグダにならないんだろうな、と。
長いですね。すみません。
お時間あるときに構ってください。
久保田弥代
2017年5月6日 11:50
別のレビューをプライベートなところで書いた勢いで、『レシピのないカレーライス』拝読してきてしまいますた_(´ㅅ`_)⌒)_ いやこれ面白いっすね。定番なストーリー展開ではありますが、それをすごく巧くやってのけた感。レシピがない、という理由がまたいいですな。やべー自信なくすわー巧い人いるわー。俺もう無理だー。
レシピのないカレーライス(爽川みつく) - カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883042437
通読してみて、なんとなくですが氷月さんの感じた「奥行き」というかなんというか。ちょいと分かった気になりました。
秘密は文体にありそうです。
この件について感じたことを、氷月さんに語りつつ、他の方でも読んでいただけるように、ちょいと書いてみたいと思います。
『レシピのない……』、過不足ない文章で状況をよく描写しており、なんの不自然さもないですが、実は、特に前半、具体的な個人の「行動」が描かれていません。
状況は比較的高めの位置から俯瞰されていて、カレー作りの回想場面ですら、よく読めば実食以外はそのように書かれています。その時の事象をやや大きなくくりでまとめて描写しています。
これは個人的に「アイレベルが高い」と呼んでいる書き方で、例えば歴史小説のような、非常に長いスパンの物語でよく見られる文体です。なので氷月さんの方が俺よりも馴染みのある文体ではないでしょうか。
人称問わず、人間と同じ高さからは書いてないのです。
高いところから俯瞰すると、物事は「おおまかな流れ」でしか分かりません。「誰それがタバコを吸った」だとか「お斎の席ではまず日本酒をやってから酢の物に手を付けて……」などといった細々した描写はしない。カメラ位置が高いので、そんな細々したところは映らないわけです。
『レシピのない……』は、基本的にそうした文体で書かれていると思います。
そしてこの文体、「流れ」を描いて個人レベルの行為は描かないだけあって、「時間感覚」が違っており、長いスパンを短い文章で済ませることが出来ます。
例えば戊辰戦争で、新撰組の土方歳三一人にカメラアイを据えて、彼の目線から物語を描けば、函館までの旅路は相当な長さになるでしょう。
しかし日本列島を俯瞰するほどの高さから描写すれば、
「×月×日に仙台を発した土方は各地を転戦、×月×日ついに函館の地に入った」で済むわけです(最低限として)。
人物目線のカメラアイでこのスピードをやろうとすると、「空白期間」を作って語らない時間を作ることになります。ところが俯瞰視点からだと、文意の上では空白は生まれない、あるいは空白の存在感が薄くなる、という効果が生じます。
『レシピのない……』を振り返るに、カメラアイがある程度の高さを持っていることで、上述の「空白の存在感が薄くなる」効果で、時間の経過が空白すなわち断絶にならず、ゆるやかに連続性を保ったのではないでしょうか。氷月さんの仰る「時間の厚み」にも似たものではないかと思います。
その効果を補強したのが、序盤のリアルタイムで進行している場面と、カレー作りの回想場面で、「カメラアイから事象までの距離感が同じ」であること、といえると思います。
カメラアイが低い作品で回想が入ると、「その時だけカメラアイが高くなる」ことがあります。説明のための回想シーンである場合なんかに見られそうですね。単に説明でしかないから、手っ取り早く済ませるために俯瞰視点になって、大まかな流れで済ませてしまう、ということです。
『レシピのない……』は最初から一定の高さで描写しており、現実と回想で、その高さに変化がありませんでした。そのことがまた、上述の「連続性」を保つことに役立ったでしょう。
さてその時間の厚み、という点で、『レシピのない……』において見過ごせなかったのは、主人公が職場復帰した後の金曜の夜の文章です。
ここだけ彼は、弁当を買って帰り、線香を祭壇に捧げ、テレビを見て、ケータイでカレンダーを確認するのです。この時だけカメラアイが彼の目線に下がってきます。
そこまでカメラアイの高さによって、彼にまつわる描写すら「大まか」だったわけですが、それによって生じるぼんやりしたような描写レベルが、そのまま、彼の喪失感、虚脱感を表現する演出効果になっていたと思います。
それがここへ来て描写レベルが変化し、突然具体的な彼の行動を描写することによって、彼自身の感性の変化、をも表現したのです。
だから、この直後に彼が泣くことに、読者としてとてもすんなり共感できます。変化があったからです。文体という道具立てで表現された変化が。
これ、意図してやったのだとしたら、舌を巻く文章センスですね。
さてこんな辺りが、『レシピのない……』を読んで感じたことです。
正直、今やってるガッツリレビューとしても、指摘するようなところはほぼないっすねぇ。唯一「蒙昧」の使い方が違ってるんじゃないかと思ったくらいで。後はもっと根本的な、悲劇としては定番な筋立てそのものに何か言うくらいでしょうか(その辺りは作家性に踏み込むのであまり言及したくない)。
氷月さんのお役に立てるかもしれないのは、「カメラアイと事象の間の距離感」の辺りでしょうかねぇ。その変化とか。
あとは、空白期間が生じることによる断絶、といったところとか。場面転換として自然なものでないと、そういう断絶は、ちょっと読書体験を阻害するような気がします。
楠秋生
2017年5月7日 00:24
こんばんは。
はい。タイミングの話だったのですが、随分丁寧にいろいろと教えていただき、感謝します。大変勉強になりました。
少年の年齢はあえてぼかしたつもりだったのですが……。入っているほうが良いということですね。
例にあげられていた御作も読ませていただき、勉強させていただきます。
氷月先生との対話も勉強になります。これからもノートの方も覗きにこさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
馳月基矢
2017年5月7日 00:32
「カメラアイと事象の間の距離感」、納得しました!
ご指摘いただいたとおり、歴史ものではいつも気にしている点です。
現代ものに限って考えるから、もやっとしていたのでした。
「空白期間」を使いこなして作中の時間の流れに連続性を持たせること、流れる速度をコントロールすること。
手前味噌ですが、『幕末~』では、四章壱で新撰組拝名から4年が経過したことを語る場面など、必要に応じてしばしば俯瞰的なカメラを活用しています。コンテスト応募中の『いけず』も、冒頭の歴史的背景の説明を小さく収めるためにカメラを高くしました。
コンパクトにすべきポイントの見極めとカメラの高さを調整するセンスは歴史もの書きの必須要素だと思っています(修行中!)。
『ゴルバチョフの午後』の校閲的な指摘を拝見して感じたのは、上3つは「時代考証」だな、と。
回想や過去におけるリアルタイムの描き方、その時点と現在との距離感のつかみ方は、私が物凄く気にする点です。
「池田屋事件」と書いたら、カメラは自動的に「後世からの俯瞰」という位置になります。
なぜなら、事件直後の近藤勇の手紙に現れるのは「洛陽動乱」であって、「池田屋事件」は後世、新撰組が「語られる対象」になった時点で定着した言葉と推測されるから。
それを知る私が「池田屋事件」と書くならば、当時のリアルタイムから離れた位置に立っている自覚があるわけです。
沖田総司が患っていたのは「労咳」、もしくは江戸時代の医学書によると「労嗽」であって、「肺結核」と書けば彼のリアルタイムではなくなります。
といった例を始め、年号・度量衡・一人称・方言など、カメラの高さや位置を自動的に決定するキーワードが数多く存在するのが歴史ものの世界です。
時代考証を徹底しなければならないのは、歴史学的な正誤判定が目的ではありません。
その単語ひとつが紛れ込んでいることでカメラワークが極めて不安定になる、その危うさを取り除く作業が時代考証です。と、私は思っています。
そういうわけで、単語レベルから時代考証をする癖のある私は、現代ものやファンタジーなどを読んでいるときも、時間経過の扱い(に伴うカメラの高さ)に関して、本質的に敏感なのでしょう。
短編はごまかしがきかないぶん、好き嫌いがかなり激しいです。
そして本題、やっと本題、『レシピのないカレーライス』。
時間経過の描き方がすごく好みで、その理由がわかりました。
解説、ありがとうございました。
また、現代ものの短編で「死」が描かれるのは好きではないのですが(平べったくなる)、『レシピのないカレーライス』は見事に表現しきれていると感じました。
今回のコンテストに限らず、ランキングで人気の短編にはピンと来ないことが多くて、「まわりの人たちがおもしろいと言っている作品を読んでもそのおもしろさがわからないのに、こんな私が書くものが果たして小説として成立しているのか」と頭を抱えます。
が、今ちょっと自信を取り戻しました。
書き散らしました。お邪魔しました。
馳月基矢
2017年5月7日 00:37
追記
楠 秋生さま
割り込み、失礼しました。
今回レビューの対象となった作品、以前読ませていただいたことがあります。
「先生」はご勘弁を Σ(;゚∇゚)
私、何者でもないので……。
鳥海勇嗣
2017年5月7日 04:23
久保田さま
こんばんは。
この度は丁寧なご講評をありがとうございました。創作に対する久保田さまの誠意と熱意がとてもよく伝わる批評でしたし、何より自分の及んでいないところが的確に指摘されていたおかげで、書き直すとしたらどこに手を加えるべきかを明確に理解することができました。
今後とも機会があれば、是非他の作品もご講評をお願いしたく存じます。
なお、私の近況ノートにも同様にお礼を書かせていただいております。
久保田弥代
2017年5月7日 09:51
>楠さん
長々失礼しました_(´ㅅ`_)⌒)_ あえてボカした、ということであれば、その「ボカしたことで読者に与えられる良い効果」と、「ボカしたことで読者に与えてしまうマイナス効果」を秤にかけることですねぇ。
一人称の話者の人物像がハッキリしないというのは、読者にとって結構ストレスになると思います。特に、一定以上の読み取り能力を持った人であれば。ぶっちゃけ、読むことそれ自体に慣れてないレベルの読者なら、そんなことすら気にしないで読み進めてしまうかもしれませんが。
正直、そうすることで得られるメリットはあまりないと思いますし、デメリットの方が大きくて「考え直せ」と言いたいところです。
それと、小説の登場人物で「年齢不詳」と描かれるケースは往々にしてあるのですが、それは他に視点人物、語り手がいる場合の「第三者」的な人物であることが多いはずです。語り手自身が「年齢不詳」というのは、個人的には高度すぎて、生半可な素人が手を出すべきではないと思います。俺自身、『昇る日』で「詳細不明」な主人公はやりましたが年齢だけは無理だと思って明かしましたし。
>氷月さん
微妙に主題からはズレてたかもしれませんが、要はその「距離感」の扱い方の巧拙で、読む時のスムーズさに違いが出るんじゃないかなと。そこでつっかえることで、「なんか時間の扱いが変だな」と感じるような……そんな気でおります。
時代考証の感覚、まさにそれと同じ感覚ですね。時代を抜かして「考証」そのもの、と言いますか。「この人はこんな単語言わないだろ」という感覚は現代でも当然あると思います。
「池田屋事件」のこともそうですね。学童疎開経験者の父親から聞いたことですが、現在では「日中戦争」と呼ばれる戦争のことを、当時『支那事変』と呼んでいたそうで。国際連盟のルール上、「これは戦争じゃない、事変だ」と言い張ってたのが由来らしいですが。
そういう用語の感覚も、大事だと思います。それあっての迫真さ、だと思いますから。どんな小説でも。
ランキングについては……まぁ、ねぇ。
Webでは、読み手として、みんなあんまり「背伸び」してないような感じはありますからね。それで人気が出る幅が広くなってくれるといいんですが、現状では一定レベルに偏位してる感じなのが痛いですね。これは読者層の母数の問題でもあるのでしょうが。
>鳥海さん
わざわざのお越し、痛み入ります_(´ㅅ`_)⌒)_ 役に立ったようでしたら何よりです。後ほどそちらの方でもなんか書いてこようと思いますのでどぞよろしゅう。
楠秋生
2017年5月8日 01:15
はい。ご意見をうかがって、考え直しました。早急に改稿したいと思います。
久保田弥代
2017年5月9日 23:28
>楠さん
_(´ㅅ`_)⌒)_ がんばらしゃってください。←何語
他にも、『僕の世界と彼女の世界』の作者さんが、俺が指摘した風にラストを書き直したりしてるんだけど、そういうこと考えると、やはりレビューというのは怖いことですな。人の創作に影響を与えるのだから。
そしてここ数日、本格レビューを書けていないのは、★に値する作品にぶつかってないからです_(´ㅅ`_)⌒)_ 労働案件は今週で一段落するはずなので、来週以降に期待(もう?
久保田弥代
2017年5月11日 18:52
あっ_(´ㅅ`_)⌒)_ どうもわざわざあざーっす。
また見に来てくれるだろーか。道具立ての発想は良かったと思います。比喩も、感覚としては悪くなかったです。ただ大げさ、婉曲しすぎだった。
ホントにダメだったらコメントすら残しませんし。
綺麗なアイデアを綺麗に伝えきることが出来るよう、どうぞこれからもがんばってください。
久保田弥代
2017年5月13日 15:46
_(´ㅅ`_)⌒)_ どうもご挨拶痛み入ります。
しょっちゅうこれやるのはツラい(レビュー書くのに一時間かかる)のですが、期間限定イベントってことなら、まぁイケるだろとやり始めましたが、やはりツラい。なのでそうやって言っていただけると慰められます。ありがとうございます。
奔埜しおり
2017年5月24日 22:15
こんばんは、初めまして。
奔埜しおりと申します。
先程は、「誰かに校閲・しっかりとした感想をもらいたい人向けコンテスト」参加作品の遠恋にレビュー、ありがとうございます。
実は、いつも自分の書いた小説を読んで、ずっと、お話として物足りないな、と感じていました。すごく静かだな、と。
その理由を、今回の久保田様のレビューで理解できました。
考えてみたら、自分の恋愛小説の殆どが、「最初から結ばれていて確認して終わる」ものでした。
以前も他の作品について別の場所をで、物語的な驚きがない、と言われたのを思い出しました。
意識しているつもりでも、なかなか思うように成長出来ていないな、と痛感しました。
的確なアドバイスと素敵なレビュー、ありがとうございました。
萩鵜アキ
2017年5月25日 10:30
初めまして、萩鵜あきです。
同じ読み手参加者として久保田弥代さんのレビュを拝読させていただきました。
私とは違う視点ですし、おまけに私よりもレベルが高い。同じ読み手として頭が下がる思いです。
今後ともヨム方もそうですが、カク方も頑張ってください。
久保田弥代
2017年5月25日 13:23
>奔埜さん
わざわざのご足労ありがとうござんす_(´ㅅ`_)⌒)_ 任侠っぽく。
なにかしらプラスに作用してくれたなら幸いです。
いろいろ読んで、この「最初から結ばれていた二人の、確認作業」という指摘をするのは実は少なくとも三回目なのです。割とよくある陥穽みたいですね。
印象としては、キャラクターやシチュエーションを優先して話を組み立てていると陥りがちなのかなと思っています。
>萩鵜さん
企画内で、お名前はかねがねお見かけしていました_(´ㅅ`_)⌒)_ いらはいませ。こちらも、違う視点のレビューは参考にさせてもらったりもしています。
ダラダラ長いのしか書けないもんで、短く鋭いレビューはいいですね。数もたくさん読んでらっしゃる。いいレビューを筆者さんに届けてさしあげてください。
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【質問】(異性の)一人称を書く際、どう書いているのか【回答】
読者企画〈誰かに校閲・しっかりとした感想~〉レビュー進行中