単発物だからサクッと読めたけど、ぶっちゃけ作者の伝えたいことがわからんかった、すまん!超簡単な解釈なら、最後の死についての定義的なところ?でも、不思議と面白さを感じられた。きっといいものが書けそうな人。最後の目を閉じたっていうのも、いろんな受け取り方が出来ていい!
おっとっと、とある関係ない楽曲の名前を口にしてしまうところだった、危ない。おふざけはここまでにして内容に触れると、短い抽象的な文章ながら、読者の心の動きを掌握しているように感じる。また、登場人物は一人だけだが、あえて三人称にすることで客観的な情報も入ってきて、少女の行動の一つ一つについて非常に考えさせられる。文体もとても読みやすく、短編としてはとてもいい作品に仕上がっていると思う。
言葉は少ないのに、少女がゆっくりと沈んでいく様子が目に浮かぶ。深度とともに変化していく感情の表現がいい。ラストの終わり方もよかった。静かな場所で、ゆったりとした気持ちで読みたい一作。
綺麗な描写で、自分も主人公の少女と一緒に沈んでいるような気持ちになる。孤独な少女は、楽になるため海に身を投げいる。そんな始まりだが、少女が沈みかけるほど、胸を締め付けられる。地上よりも暖かな海、この世界は青いのだなと知ったこと、深海の暗闇で目を閉じる。読み終わり、耳を塞いで目を閉じると、少女の気持ちが伝わってくる。綺麗でした。しかも驚いたことに、作者の歳!凄いなぁ。そんなことを知ると、応援したくなる。頑張ってくださいね! 素敵なものを共有してくださり、ありがとうございます。
抽象的な表現が幻想的かつ耽美で、こういう感性というのは若さのなせる業だと思う。澄んだ文体と海に沈んでいく主人公がシンクロして、深い青色の中に落ちていくような印象。決して明るい話ではないが、清涼剤のような爽やかさがある美しい作品。
脳に映った幻想をそのまま書き記したような、趣きの深い作品であった。何ら加工されていない生のままの幻想、それは正しく物語の原点であり、遠い昔に置き忘れてきたものを思い出させてくれた。人は何時しか大人になる。否が応でも大人になる。願わくば、作者様にはこの原点を忘れる事なく、腕を磨いて頂きたく思う。
※)読者企画〈誰かに校閲・しっかりとした感想をもらいたい人向けコンテスト〉参加作品としてレビューします。 将来への『唯ぼんやりした不安』を胸に自殺を遂げた芥川龍之介のように、本作の少女も、孤独という不安を抱えて海へと身を投じた。 その後に綴られる「世界」とは、少女の不可思議な現実か、それとも一瞬の幻か。 絶望に満たされていていいはずの世界は、不思議と美しさに溢れていた。 …続きを読む
この世界は青いのだな、という言葉が印象的でした。青い地球というものが作品のアンチテーゼのように映りました。
これは「誰かに校閲・しっかりとした(略」用の辛口レビュとなります。 思考実験のような掌編で、なるほどと思わされました。 さて辛口レビュですが、この物語の頭とお尻がうまく繋がっていません。「死ねば生まれ変われる」はちゃんと結論が出ました。 ただ「楽になれると思ったから」は結論がありません。「死ねば~」は思想であり、「楽になれる~」は衝動。思想に結論が出ても、それは衝動の結論にはなりません。 なので「楽になれる~」にも答えを出してあげてください。そうすると頭とお尻が綺麗に繋がります。 以上、辛口になって申し訳ありません。 今後とも頑張ってください!
とても深く複雑な要素がぎっしり詰まっているのに、一行目に目を通した時点から最後の行まで淀みなく辿り着いてしまう。そして、作者のプロフィールを読んでその若さにまた愕然としました。わたしはあなたが、羨ましい。
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